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好き、嫌い、好き 05
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あれからどれくらい経っただろう…
俺たちは、ずっとキスをしていた。
離れたいとか、離したいとは不思議と1回も思わなかった。
キーンコーンカーンコーン
一限目の終わりを知らせるチャイムが鳴り響いたと同時に、お互いの唇が離れた。
唇が痛い…
ヒリヒリする…
「先輩は二限目どうします??」
どうするって…
「受けるに決まってるだろ。」
「そうですか。」
「篠原はどうするんだよ。」
「俺はここでもう少しサボっちゃおっかなって。」
「なっ!!生徒会長の前でいい度胸だな!!それに、おまえ俺との約束忘れたのかよ!?ちゃんと授業受けるって約束しただろ??」
「えー!!でも、先輩に会った後に授業なんて集中できませんよ。」
「なんだよ、それ。」
「だって、先輩のこと考えちゃうから。」
「えっ…」
また篠原の顔が近づいてくる。
逃げられない。
その真剣な瞳に捕らえられると動けなくなる。
「先輩で頭いっぱいなのに、授業なんて無理ですよ。」
なんで、おまえはそんなこと平気で言えるんだよ。
なんで、おまえは俺の気持ちがわからないんだよ。
そんなこと言われたら、心臓が壊れてしまう…
「先輩、顔真っ赤ですよ。」
するりと篠原の手が俺の頬に触れる。
「う、うるさい。」
「ね、先輩。もっかいキスしていい??」
「っ!!」
「先輩??」
「~っ!!」
「夕貴先輩、言って??」
「し、したいなら…早く、しろ。」
ニコッと微笑む篠原。
ゆっくりとかっこいい顔が近づいてくる。
あと数センチで唇が重なる。
そんなとき…
≪♪ピンポンパンポン 2年B組水沢夕貴、1年E組篠原柊。今すぐに職員室に来なさい。≫
「「え??」」
俺と篠原が、なぜか先生に呼び出された。
俺、こいつと何かしたっけ…??
まさか、2人でサボったことがバレた…とか??
「先輩、何かしたんですか??」
「それはこっちの台詞だ!!…それか、2人で授業サボったのがバレたか…。」
「それはないでしょ。」
「だけど…」
俺と篠原が呼び出されるなんて、それくらいしか理由が…
「とにかく、行きましょうか。」
「そう、だな。」
篠原が俺から離れて、先に行く。
鼓動はドキドキと治まることを知らず、うるさいまま。
俺は、その後ろを少し距離を保って追いかけた。
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