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好き、嫌い、好き 06
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「「失礼します」」
2人で職員室の中に入る。
そこには、俺の担任の夏川陽斗(なつかわはると)先生がいた。
学校では”はるちゃん”と呼ばれていて、生徒に人気のある先生。
かっこいいし、明るいし、頭がよくて、おまけに授業がわかりやすい。
それに、生徒の話はちゃんと聞いてくれる。
だから、生徒に慕われているのがよくわかる。
でも、なんではるちゃんが??
「お、来たな!!」
はるちゃんは、「こっち来い。」と手招きをする。
俺と篠原は、はるちゃんのもとに向かった。
「ここじゃ、あれだし…。場所移動しよっか。」
はるちゃんが歩き出したので、俺たちもはるちゃんの後ろをついていく。
場所変えて話すって…
そんなに深刻な話なのだろうか…
はるちゃんの行動に戸惑う。
ちらっと隣を見ると、堂々とあくびをしていた。
こいつの心臓わけてほしいよ…
そんなことを思っていると、理科室に着いた。
それと同時に、二限目を知らせるチャイムが鳴り響いた。
「悪いな、ここしか教室空いてなくて。」
「大丈夫です。」
はるちゃんが、鍵を開ける。
ガチャッという音が静かな廊下に響いた。
はるちゃんは、ドアを開けると、「どうぞ。」と先に俺たちを中に入れる。
そして、自分も中に入った。
近くの椅子に腰をかけ、俺の隣に篠原も座った。
はるちゃんは、俺たちと向かい合う形で座る。
「っで、なんですか。俺と先輩呼び出して。授業中に話ってそんなに深刻な話なんですか??」
篠原が淡々と話を進めていく。
「深刻っていうか…どうせおまえら二限目も受けないつもりだっただろ??」
「え!?」
「だって、おまえら一限目サボってたし。」
なんで、はるちゃんそんなことまでわかるんだよ…
恐るべしだな…
「別に、サボってたのが悪いってわけじゃないし、怒るつもりもない。俺も、高校の頃はよく授業サボったりしてたからな。」
「さすが、はるちゃんだな。」
なんで、篠原はそんなにはるちゃんと親しげなんだよ…
てか、はるちゃんもはるちゃんだよな…
教師のくせに怒んねーのかよ。
ま、そういうとこが人気の1つかもしんないけど…
「篠原も”はるちゃん”って言ってるのかよー。」
「何??先生って言われたいの??」
「とことんムカつく奴だな。」
「はぁ…」
2人のやりとりに、思わずため息がこぼれる。
「で、はるちゃん。話って何なの??」
さっきまで、ぺらぺら喋っていたはるちゃんが口ごもる。
「はるちゃん??」
「いや…俺もあんまり疑いたくないんだけどさ…」
「??」
何??
「体育倉庫のドアが壊されててさ。篠原と夕貴が壊してるの見たって奴がいるんだよ。」
「あっ…」
いろいろありすぎて忘れてた!!
そうだった。
篠原が俺を助けるために壊したんだった…
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