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好き、嫌い、好き 07
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「それは…」
言ったほうがいいのだろうか…
いや、でも…
ううん。やっぱ、ちゃんと言ったほうがいいよな。
俺は、意を決して口を開いた。
「それは、俺が、」
「俺がやりました。」
「え??」
俺が言う前に篠原が口をはさむ。
「俺がやりました。だから、先輩は関係ありません。」
「ちょっ、篠原何言ってんだよ!!あれは、俺のせいで、」
「でも、俺が壊したことには変わりないでしょ。」
「いや、だけど…」
俺を助けるためにやったことなんだし…
「俺にだって責任があるだろう。」
啓介先輩のことで助けてもらった。
なのに、また助けてもらうなんて…
それだけは嫌だ。
「これは、俺がやりました。だから、篠原は悪くないんです。」
「ちょっ、先輩!!何言ってるんですか!?これは俺が、」
「違う。これは俺の責任だ。」
「いいや、俺の責任です。」
「俺の責任だって言ってるだろ!!」
「だから、俺の責任ですってば!!」
「あーもうわかったから。」
俺らのやりとりにはるちゃんが入ってくる。
2人ではるちゃんのほうに視線を送る。
はるちゃんは呆れているような顔をしていた。
「何があったかわかんないし、言いたくないなら聞かない。でも、ドアがおまえらのせいで壊れたっていうのは事実なんだろ??」
はるちゃんの問いかけにコクッと頷く。
隣で篠原も頷いているのが視界に入る。
「じゃあさ、2人で反省しろ。これでいいだろ??」
「「はい…」」
はるちゃんの言葉に2人で声を揃えて返事をする。
でも、なぜか心は清々しかった。
「で、反省なんだけど…おまえたちには1週間プール掃除をしてもらう。」
「「プール掃除!?」」
「あぁ。去年のままで汚いし、今年も体育で水泳するところもあるし、夏休みだって利用する生徒がいるだろ??それに、プール掃除って本当にめんどうなんだよなー。」
「…あの、はるちゃん??」
「使ったら、1年間放置だし。まじで汚いし。誰かが掃除しないと、先生たちで掃除するはめになるんだよなー。」
「えっと…はるちゃん??」
「というわけで!!今日の放課後からよろしくな。」
「ちょっ、はるちゃん!!」
はるちゃんは席を立って、ドアのほうに向かう。
ドアに手をかけ、俺たちのほうに向き直る。
「あ、二限目まではサボっていいけど、三限目からはちゃんと出ろよ。」
「待ってよ、はるちゃん!!」
それだけ言って、はるちゃんはさっさとどこかに行ってしまった。
はぁ…。まじかよ…。
放課後なんか、こなければいいのに…
そんな願い叶うはずないのに…
俺はただただ心の中で願い続けた。
時間が止まって、放課後がきませんように!!と。
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