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好き、嫌い、好き 11
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「…なんでここ??」
篠原に連れてこられたところは、空き教室かと思いきや、まさかのトイレの個室。
このトイレは、だいたい生徒会の人しか使わない。
どの教室からも遠い場所にあるから。
もう、このトイレは生徒会のために作られたのではないだろうか??
なんてノンキなことを考えていると、俺の両側に篠原の手が伸びる。
後ろは扉。
もう完全に身動きができない。
「我慢出来なかったから。一番近いここにした。」
「…我慢??」
「ね、先輩。なんであんなこと言ったの??」
「あんなこと??」
「俺のこと、"大切な存在"って言ってくれたよね??」
その言葉にさっき生徒会室で言ったことが頭の中でリピートされる。
うわぁぁぁああああ!!!!
そうだった!!
俺はなんてことを…
「いや、あれはその、えっと…」
「先輩、もう誤魔化すのはやめてください。」
「は!?俺は別に誤魔化してなんか、」
「じゃあ、ちゃんと先輩の気持ち言ってください。」
篠原の真剣な瞳。
その瞳を見ると、ちゃんと伝えないとなって思った。
だけど…
「篠原、ごめん…。」
「え??」
「まだ言えない。」
「……」
「わからないんだ。自分の気持ちが。でも、篠原とはちゃんと向き合いたい。そして、自分なりにちゃんと答えを出したい。」
「先輩…」
「だから、その…もう少し待ってくれませんか??」
篠原の真剣な顔が崩れて、ふっと笑った。
「だから、なんで先輩が敬語使うんですか。」
「いや、それは…」
「待ってます。」
「え??」
「俺、先輩が答え出すまで待ってます。」
「篠原…」
「だから、キスしていい??」
「なんで、そうなるんだよ。」
呆れた顔で言う。
すると、篠原は…
「だって、好きだから。」
俺の心臓を壊すくらい甘く囁いた。
「っ!!」
「まただ。」
するりと篠原の手が俺の頬に触れる。
「顔が真っ赤。」
「それは、おまえが、」
「たまんないな…」
「え??」
うっとりした表情で言う篠原。
それが妙に色っぽく見えた。
「今すぐ抱きたい。」
「ちょっ、それは無理!!」
「わかってますよ。だから…」
篠原の顔がグンと近づく。
「キスで我慢します。」
その瞬間、篠原の唇が俺の唇に重なった。
もしかしたら、こいつは俺の心臓を簡単に壊す天才なのかもしれない。
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