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悪の罠 03
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俺は、今篠原の教室の前にいる。
だって…
『とにかく、そんなに気になんなら、直接本人に聞いてこい。』
『は??ちょ、孝太!!』
『聞いてくるまで戻ってくんな。俺の前に姿を現すな。俺の視界に入るな。』
と言われて、教室から追い出されたからだ。
はぁ…
来たのはいいんだけどさ…どうしよう。
さっき会ったばっかだし…
なかなか篠原に会うことが出来ず、教室の前をうろちょろする。
周りの視線がすごく痛い。
「あれ??…もしかして、夕貴先輩っすか??」
すると、後ろから声が聞こえた。
自分の名前に反応して、振り向く。
…誰だ??
そこには、知らない男が立っていた。
だらしない服装。
金髪に染めている髪。
そして、全体的にチャラい。
でも…どこかで見たことあるんだよな。
「なんで、俺の名前…」
「やっぱ夕貴先輩だ。お久しぶりっす。あ、柊にはもう会いました??」
お久しぶり??篠原??
何のことだ…??
「あー…俺のこと知りません??」
知るわけないだろ…
「あぁ…うん。」
「まじっすか…」
はぁ、と盛大なため息が聞こえる。
ちょっと、初対面の人に失礼じゃないのか??
じゃあ、自己紹介しますと言って、目の前のやつは、自己紹介を始めた。
「俺は、健。武藤健(むとうたける)。柊とは小学生の頃からの親友。そんで、夕貴先輩とは中学が一緒。」
…げっ!!
まじかよ…
ってことは、こいつ…
「もしかして、昔の俺を…」
「昔の??…あぁ。"ハクイ番長"って言われてたことですか??」
「うわぁぁあああ!!おま、バカッ!!声がでけーよ!!」
とっさに、手で口を塞ぐ。
なんで、俺の周りって…
あ、ちなみに、"ハクイ"っていうのは、不良用語で"美しい"っていう意味…らしい。
そういえば、このあだ名が広まってから、友達が笑いながら教えてくれたんだっけ。
「"美しい番長"だってさ!!」って。
昔はバカにされた気分だったけど…
って、何ベラベラ言ってんだよ、俺!!
「はぁ…」
次は、俺が盛大なため息を吐いた。
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