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悪の罠 12
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今日の授業はほとんど聞いていない。
ずっと上の空だ。
そのせいか、時間が過ぎるのが妙に早く感じて。
気がつけば、きてほしくなかった放課後の時間となってしまった。
もう篠原は来ているだろうか…
そんなこと考えると、余計行きたくなくなってきた。
それでも、俺の中ではなぜか"サボる"という選択肢はなかった。
なぜなんだろう…
今は、こんなにも会いたくないのに…
重い足取りを進めながら、プールへ向かう。
いろんな生徒とすれ違いながら、あることが頭に浮かんだ。
もう篠原は来てるんだろうな…
篠原は、いつも俺より早く来る。
ずっとだ。今までずっと。
俺がどんなに早く行こうとしても、必ずあいつのほうが先に来る。
そして、今日も。
俺の目線にはやっぱり篠原がいた。
会いたくない。
でも、サボらずに来てくれたことが何よりうれしかった。
俺は、更衣室に入って、体操服に着替え始めた。
いつもは、俺を見つけると、俺のところに来るのに…
篠原が俺のところに来ないってことは、気づいていないのか。
それとも、篠原も俺と会いたくないと思っているのか。
そんなことを考えると、なぜか胸がチクチク痛んだ。
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