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悪の罠 13
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篠原柊side
プールに行くと、やっぱり先輩はまだ来ていなくて。
今日も一番だった。
そして、制服から体操服に着替えて、ブラシを持って、さっそく掃除を始める。
ゴシゴシと。
黒く汚れているところが、泡と一体になって消えていく。
泡は白から灰色に変わった。
それを眺めながら、ポツリと独り言がこぼれた。
「先輩、今日来るのかな…??」
もしかしたら、来ないかもな…
俺なんかに会いたくないだろうし。
そんな不安が一気に押し寄せてくる。
胸がキリキリと痛み出す。
いやだ。失いたくない。離れたくない。
好きなんだ。好きで、好きで、どうしようもなく好きで…
こんなに人を好きになったのは初めてなんだ。
「先輩ッ…」
ブラシに添えていた手に額をつけて俯く。
ゆっくりと瞼を閉じた。
すると、ガシャンッという音が聞こえた。
この音は、ドアが閉まるときに鳴る音だ。
その音に期待しながら、視線をドアのほうに向けた。
すると、そこには先輩の姿があった。
先輩の姿を見ると、自然と頬が緩んだ。
来てくれた…
それが何よりもうれしかった。
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