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悪の罠 16
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走ってきたのはいいものの…
どこに行こう。
無我夢中で走って、いろいろなところを探し回ったんだけど…
一向にケンカ事件に遭遇しない。
ま、そんなに簡単にいくとは思ってなかったけど…
でも、一刻でも早く助けたい。篠原を…
「よし。もう少し周ってみるか。」
俺はまた足を進めた。
そして、まだ調べてなかった裏庭に行く。
普通ケンカっていったら、こういう人気のないところであってるはずなんだけどなー。
裏庭は、何もないし、寮からも遠いため、あまり人が来る場所ではない。
だから、授業をサボるのには打って付けの場所だ。
俺もよく、ここで授業をサボっている生徒を見かけたことがあるくらいだ。
ケンカするなら、ここのはず…
そう思って、足を進めていると…
「おら、立てよ!!」
「ッ!!」
大きな罵声が響いた。
その声に驚いて、足を止める。
でも、罵声は飛び交う一方で…
この近くだ。
この近くでケンカがあっている。
俺は、止めていた足を進めた。
「立てって!!」
どこだ??
「そんなもんかよ!!かかってこいよ!!」
どこなんだッ!!
どんどん足を進める速さが増す。
そして、校舎の角を曲がったそのとき。
「っ…」
俺の目の前には、複数の男子生徒たちに囲まれている篠原の姿だった。
篠原は、その場に倒れこんでいる。
そして、男子生徒たちからは暴力の嵐。蹴られて、殴られて。
それでも篠原は…
「なんで…なんでやり返さないんだよ…。」
ただただ暴力を受け入れているだけで、やり返そうとしなかった。
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