アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
悪の罠 17
-
「おい、そこで何してるんだ!!」
大きく、力強く。男子生徒たちに聞こえるくらい大きな声を上げた。
俺の声が聞こえた生徒たちが一斉にこちらに振り返る。
みんなの顔はみるみるうちに真っ青になっていく。
「おい、やばいぞッ!!」という声も飛び交っていた。
「何やってんだよッ!!」
「いや、その…」
俺は、ズカズカと彼らに近づく。
イライラが収まらない。
生徒会長として、自分の感情で動いちゃいけないのはわかってる。
でも、収まらない。
俺は、1人の生徒の胸ぐらを掴んだ。
「何やってんだって聞いてんだよ。」
「っ…」
男子生徒は俺の顔を見て、目を見開く。
周りの生徒もだ。
そして、篠原も。
「おい、聞いてんのかよ。」
「……」
「おいッ!!」
俺は、とっさに胸ぐらを掴んでいた手の力を一層強めた。
ムカつく。イライラする。
自分の感情をコントロール出来なくなった俺は、掴んでいた片方の手を離して、振りかざし、殴ろうとした。
そのとき…
「先輩ッ!!」
「夕貴やめろッ!!」
誰かの手が俺の行動を制した。
篠原と聞き覚えのある声に、徐々に感情が落ち着いていく。
そして、落ち着いたところで周りを見ると、目の前では、篠原が安心したような表情をしていた。
そして、俺の後ろでは…
「孝太…」
俺の手を強く握って、心配そうな顔をした孝太がいた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
100 / 147