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ドキドキ文化祭 08
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「おまえってドがつくほどの鈍感だからな。ま、『どんな奴相手しても、おまえのことが好きだ』とか言ったら機嫌直るんじゃねーの??」
そう言って、佑介は違う作業をしに行った。
俺、別にあいつのこと好きじゃねーし…
それにあいつ…たったそれだけのことで怒ってたのかよ…
「はぁ…」
また、大きなため息が出た。
仕方ない…
会いに行くか…あいつに。
俺は、作業を中断して、委員長のとこに行った。
「なぁ、委員長。」
「ん??どうした、夕貴。」
「ちょっと…抜けてもいいかな??」
「え??」
「すぐ戻ってくるから!!」
「だ、ダメだよ!!ただでさえ作業遅れてるし…。それに、夕貴には試作の衣装を着てもらわないと!!」
「試作の衣装なんか、いくらでも着るから!!だから、お願い、委員長!!」
俺の押しに負けたのか、委員長は「わかったよ!!ただし、10分だけだからな!!」と言って、作業に戻っていった。
俺も、「ありがとう、委員長!!」とだけ言って、教室を後にした。
そして、走って向かった場所は篠原の教室の前。
正直、1年の教室に来るのは初めてで、緊張がハンパない。
それに、周りの1年からすごい見られてる気がするし…
俺は、思い切って、ドアを開けた。
「え、会長!?」
「うそ、なんで会長がここに!?」
こんな声が教室中に響き渡る。
俺はそんな声を無視して、篠原の姿を探す。
あ…いた。
篠原の存在は、教室の中でもなぜかとても大きくて、すぐにわかった。
俺に気づいた篠原も驚いた表情をしていた。
「ちょっ、なんで先輩がこんなとこに来てるんですか!?」
俺を見つけた途端、篠原は俺の元に駆け寄った。
「おまえに話があって。」
「え??」
「あのさ、あんなことで怒んな。これはただの文化祭なんだし、相手はただの客だ。客とどうこうなろうとは思わない。」
「…」
「いや、だから…その…」
「…」
「はぁ…。仲直りがしたいんだよ、おまえと…。」
「え…??」
「ずっとこのままってわけにもいかないし…。それに、その…」
俺が口ごもると篠原はようやく口を開いた。
「なんで怒ってたかわかったんですか??」
「ん、まぁ…。嫉妬…なんだろ??」
「すみません。また嫉妬して、暴走して…」
「いや、俺も悪いこと言ったし、それに俺はその…うれしかった…から。」
「え…??」
「話はそれだけだから!!それじゃ!!!」
「ちょっ、先輩!!」
俺は、恥ずかしくなって、思わず走ってその場から離れようとした。
でも、篠原の「俺、先輩のクラスのホストクラブ、行きます!!楽しみにしてます!!」という大きな声が聞こえて自然と足が止まって振り返った。
篠原の顔は、もう怒ってなくて、笑顔だった。
だから、俺も自然と頬が緩んだ。
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