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ドキドキ文化祭 16
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「じゃあ、俺そろそろ行くから。」
「がんばってこいよ、夕貴。」
孝太に一言告げる。
でも、クラスメイトがぞくぞくと集まってきて…
「夕貴ー。おまえがいなくなったら、この店どうすればいいんだよー!!」
「早く帰って来るんだぞ!?いいな!?」
まだ売り上げを伸ばそうとするクラスメイトが俺に次々と愚痴を言い放った。
「はいはい。」
俺は、適当に返事を返して、教室を後にする。
時計を見ると、もう1時50分。
やっば!!
急がないと!!
俺は、走って体育館へと向かった。
体育館の中に入ると、多くの生徒や一般の方でにぎわっていた。
そして、俺を見つけるなり「会長だ!!」と言って、生徒が俺の周りに集まってくる。
「会長も、告白大会に出られるんですか!?」
「え!?」
「だって、ここに来てるから、そうなのかなって!!」
「いや、俺はただの仕事で…」
「えー、そうなんですか??」
俺はまたしても、嘘をついて誤魔化す。
周りのみんなは「なーんだ」と言って、自分がいた場所に戻っていった。
そして、そうしてる間にこの文化祭の大イベント、告白大会が始まった。
篠原はいつ出るのかな…
そんな期待が俺の頭の中をいっぱいにする。
すると、誰かに腕を掴まれた感触がした。
振り返ると、そこには…
「理沙…??」
俺が中学のときに付き合っていた元カノが立っていた。
「あ、やっぱり夕貴だ!!最初、わかんなかったよー!!」
「な、なんでここに??」
「うーんとね、友達から、夕貴がここの学校に通ってるって聞いて、文化祭見に来たの。もしかしたら、会えるかなーって。」
「そ、そうなんだ。」
理沙とは、よく不良仲間と一緒につるんでいて、中学の頃に告白されて付き合った。
でも、高校が離れるということで、卒業と同時に別れた。
「まさか、本当にここに受かってたなんてね。それに、すっごい雰囲気も変わったし。」
「まぁ…いろいろあって。」
「そっか!!」
本音を言うと、理沙とは会いたくなかった。
いろいろと怖い噂を耳にしていたから…
理沙は、欲しいものはどんなことをしても手に入れる。
そして、嫉妬や束縛が激しい…らしい。
付き合っていた頃は、そんな素振りはなかったが、俺の知らないところでいろいろとやってたみたいだ。
俺と話した女子にケガさせたりとか、不登校になるまでいじめたりとか…
だから、理沙とはもう関わりたくなかった。
「でも、ホント変わったよね!!なんか…すっごいかっこよくなった!!」
「そ、そうかな…。別に普通だけど…。」
今の理沙の言葉ははっきり言ってどれも怖い。
「じゃあ、俺仕事あるから。」
「仕事??」
「あぁ。生徒会の。」
「そっか!!がんばってね!!またいつか、ゆっくり話ししようね!!」
「あぁ。」
俺は、理沙から逃げるようにその場を離れた。
この出会いが、予想もしないような出来事へと繋がるとも知らずに…
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