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ドキドキ文化祭 17
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はぁ…
ここまで来れば大丈夫かな…??
理沙から逃げるため、俺は結構前のほうに来てしまった。
ま、この人混みだし…
大丈夫だろ…
そう思っていると、「続いては、篠原柊くんの告白でーす!!」というMCの声が聞こえて、思わずステージに目を向ける。
すると、ステージの上には、篠原が立っていた。
あいつ…本当にこれに出てたのか…
「じゃあ、篠原くん。告白したい人の名前を言ってください。」
MCのその言葉に篠原は体育館の周りを見渡し始めた。
そして、前のほうにいたので、すぐに俺を見つけると、優しい笑みを浮かべた。
「名前は…本人に迷惑かけるかもしれないので、言いません。」
「え…??」
「でも、ここに来てくれていることはわかったので、気持ちだけ伝えさせてください。」
そう言って、篠原は一歩前に出て、俺のほうに体を向けた。
「俺は、中学のときからずっと憧れている先輩がいます。その人に憧れて、俺はこの学校に入学しました。最初は、強引に関係を築いてしまって…。それからは、いろいろと酷いこともしたし、たくさん迷惑もかけてきました。俺の予想では、たぶん嫌われていると思います。…でも、中学のときはずっと見ているだけだったのに、今では一緒に過ごすようになって…こんなに近くにいて…。それが、今はとても幸せなんです。…先輩、俺の側にいてくれて、ありがとう…。」
篠原の言葉には、鳴り止まないくらいの大きな拍手が鳴り響いた。
俺は、何も考えられなくて…
ただただ立っていることしかできなかった。
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