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ドキドキ文化祭 24
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触れるだけのキス。
でも、そのキスはとても優しくて…
前の強引なキスとは違って、気持ちよかった。
「わかりました??先輩。」
「え…??」
「俺の好きの意味。」
「え、いや、その…」
わかりたいような、わかりたくないような…
そんな気持ちが俺の頭の中を交差する。
だから、俺は曖昧な返事をした。
でも、それも無意味で…
「じゃあ、もっとわかりやすく伝えます。」
「え…。」
わかりやすくって…
篠原の目が再び俺を捕らえる。
逃げたい。
でも…逃げられない。
この先の言葉を聞きたくない。
でも、聞きたい自分もいて、動けない。
抵抗できない。
「先輩、俺は…」
「しの…はら…」
「俺は…」
次の言葉を言おうと篠原の口が開いた。
すると…
「夕貴、やっと見つけた!!」
後ろのほうから声が聞こえた。
俺は反射的に振り返る。
「け、啓介先輩!?」
声の主は啓介先輩。
啓介先輩は、俺の代の前の生徒会長。
文武両道で、かっこよくて…
俺が密かに憧れている人だ。
「な、なんで啓介先輩がここに!?」
「なんでって約束しただろ??」
「え??」
「何、おまえ…もしかして忘れたの!?」
「あー…えっと…」
「はぁ…まじかよ。」
「す、すみません…。」
俺は、すごく申し訳なく思い、深々と頭を下げた。
「ほら、文化祭のクラスの出し物で3位以内に入ったら、俺に付き合うって約束しただろ??」
そういえば、そんな約束したな…
「でも、あれは確か…俺のクラスが啓介先輩のクラスより下の順位だったら…ですよね??」
「そんなのどーでもいいじゃん!!せっかく久々に会ったんだし、俺の話に付き合えよ!!」
啓介先輩は俺の腕をグイグイ引っ張っていく。
「いや、でも…」
俺は、篠原のほうを見る。
すると、篠原は「いいですよ、行っても。」と不気味なくらいにっこり笑って言った。
「そう??じゃあ、夕貴借りるわ。」
「ちょっ、啓介先輩!?」
俺の声を無視して、啓介先輩は俺を引っ張っていき、空き教室を出て行った。
篠原、怒ってるよな…
でも…なんで俺はこんなにホッとしてるんだ…??
俺の心の中にある違和感は大きくなる一方だった。
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