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問題だらけの勉強会 02
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「俺、認めたくなかったんだ…。」
「え??」
「いや、もしかしたら、認めるのが怖かったのかもしんない…。」
孝太が首を傾げる。
「どういうこと??」
「篠原の好きの意味なんてわかってた。でも…自分の気持ちがわからないんだ…。」
「夕貴…。」
「最初は、あいつといるのが嫌だったけど、あいつのこと知っていくうちに、一緒にいるのが楽しくて…居心地がいいなって思った。」
「……」
「告白大会も、正直うれしかった。」
「だったら、あいつのこと…」
「違う…違うんだ。」
孝太からは大きなため息が聞こえる。
「何が違うんだよ。」
「あいつが告白大会で言ったことは、俺に対しての感謝の気持ちなんだ。」
「感謝??」
孝太の言葉にゆっくりと頷いた。
「俺は、その感謝の言葉がうれしいと思ったんだ。でも…空き教室で話してる途中に啓介先輩が来てさ…。」
「啓介先輩って…あの??」
「うん。ちょうどあいつが好きってことを伝えようとしたときに…。」
「うわー…。啓介先輩、KYだな…。」
久しぶりに聞く、KY(空気読めない)に少しだけ笑いそうになった。
「でも、あのとき俺はホッとしたんだ。」
「どういうこと??」
「篠原の言葉を聞かなくて…俺はホッとした。」
「…それはどうして??」
「篠原の気持ちに気づきたくなかった…。それと…自分の気持ちがわからなかったから。」
「…そっか。」
孝太の言葉にコクリと頷く俺。
それを見た孝太はまた話を進めた。
「そのあとはどうなったんだ??」
「え??」
「啓介先輩が来て、篠原の言葉が遮られて…それから。」
「それからは、啓介先輩との約束があって、啓介先輩に連れて行かれたよ。篠原も行っていいって言ってたし。それからは啓介先輩の愚痴やら何やらいろいろ聞かされて…。どっと疲れが溜まったよ。」
俺の話を聞き終わると、孝太は「なるほどなー…。」と言いながら、顎に手をついた。
「なんだよ…。」
「とにかく、おまえは啓介先輩に気をつけることだな。」
「は??」
啓介先輩に気をつける…??
なんで俺が…
孝太に聞こうとしたが、話を進められて聞けなかった。
「それと、おまえ今週の土日暇??」
「な、なんだよ急に…」
「だーかーら、暇??暇じゃない??どっち??」
俺の答えを急かす孝太。
なんなんだ、いったい…
そんなことを思いながらも、俺は渋々答えた。
「暇じゃない…かな。来週からテストだし。勉強するから。」
そう。来週からテストだ。
文化祭の準備で忙しかった俺は、全然テスト勉強をしていなかった。
今週の土日でがんばらないと…
俺はそう思っていた。
「じゃあさ…勉強会しない??」
「べ、勉強会!?」
すると、孝太が勉強会を提案してきた。
「1人でやるよりも、2人でやったほうがはかどるだろ??」
いや、逆に喋ってばっかで集中できそうにないんだけど…
そう思っている俺を知らない孝太は、俺の肩に手を置いて、どんどん話を進めていく。
「たまにはさ、いいだろ??」
「えっと…まぁ…」
「意外と楽しそうだし!!」
「いや、でも…」
「よし、決まりな!!」
「え!?」
「1時に夕貴の部屋でってことで!!それと、お泊まり勉強会だってことを忘れないように!!」
「ちょっ、孝太!!」
俺の言葉を無視して、孝太は、「じゃあなー」と手を振りながら、自分の席へと戻っていった。
はぁ…
孝太がいなくなって、大きなため息をつく俺。
勉強会か…
あんまり気分はのらないけど、意外と楽しいかもだし…
たまにはいいよな…??
そんなことを考えていた俺は、何も知らずに孝太の罠にはまってしまったのだった。
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