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よろしく。
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もしかして………助けてくれた…?さっきの子だよね?楽しそうに笑ってた。俺の後ろだったんだ………お礼言いそびれた。俺ってなんですぐ言葉が出てこないんだろうか…だいたいさ、普通もっとこう軽くさ「いや、俺デカイんで後ろの人見えないかと思って。」とかさ。なんか言えるよね?普通…ダメだごちゃごちゃしてきた…小さなため息をついて教科書をめくるると紙の切り口部分に指を擦ってしまった…痛っ!…また指切った。紙って痛いよね。
ティッシュは…持ってない。絆創膏もないよ…この雰囲気で「保健室行きます!」を切り出せるはずもない…まぁいいか。いつものことだし。諦めてノートを書き出した時…
ガンガン!
突然尻辺りに衝撃が来た!
椅子を蹴られた!?
「おい。」
低く小さい声で呼ばれたから、後ろを振り向こうとした時顔の真横に何かを持った手が出てきた。
「ん。やる。」
「え?」
「指、血ぃ出てる。」
なんで…え?持っている物が近過ぎてピントが合わなかったから少し体を引いてみると…
「あ…絆創膏…」
「早く。三宅にバレる。」
少しヨレた絆創膏を受け取る…
「ありがとう…」
「どーいたしまして」
と言って彼はヘラッと笑った。
ヨレた絆創膏を切ってしまった左の人差し指にはって、ゴミを丸めた時に、授業終了のチャイムが鳴った。
「起立!」
「礼!」
「ありがとうございました!」
俺は立ったまま勢い良く後ろを向く!!
「えっと…絆創膏ありがとう。」
「おお!?どーいたしまして!?」
「…あと…さっきの…えっと、先生に言われた時のもありがとう…」
「そうだ!それ!!!」
突然大きい声を出しかと思ったら…
パコーーーーン!!!!と額に衝撃がはしった。一瞬分からなかったけど、筒状に丸められた化学の教科書でおもくそ額を叩かれた。
「あべし!!」
「てんめ!!なんで言わねえんだゴラァァァァァァ!お口ついてんのか?!おうコラ!!ノリのいいことは出るのか!この口は!!」
パコン!パコン!!!と連続で何発か叩かれた…
「痛い痛い!!ごっごめんなさい!」
「まったく。次からちゃんと自分で言うんだぞ?」
鼻でフン!と息を吐きながら仁王立ちしたかと思ったらまた突然何かを思い出したかのように表情が変わる…
「あっ!お前、名前は?」
「えっ倉田 …」
「倉田はもうわかってんだよ!!下だよ!下!!」
「あっえと……ナオ。倉田 ナオ」
俺より少し下にある顔が嬉しそうに、満足げに眩しく笑った…
「ナオ…ナオか!俺、小日向 百!」
「モモ………よろしく。」
色んな奴が俺に"笑った顔"を向けてきたけど、こんなにも眩しく感じたことがあっただろうか…心なしか自分の顔が熱くなったような…心拍数が上がったような…変な感じがした。
「お2人さん。」
ヒョコッと髪の毛がクリクリした子が間に入ってきた。
「お!ショタ!なんだよ?」
「次教室移動だけどー?てかショタって言うな。死ぬぞお前。ってアンタは噂の18号くんだね。」
「よくご存知で。」
俺は某週刊誌の超伝説コミックに登場するDr.○ロによって創りだされた双子の姉の人造○間の18号に似てるらしくこのあだ名が付いた…
「18号?違う、こいつナオっていうんだ!」
「へぇ〜!ナオ君っていうんだ。俺南 笑太、笑太でいいよ!ヨロシク〜」
ニコッと笑う南くん。両方八重歯がある…なんだろすごい童顔だなぁ…身長もそこそこあるし、高校生なのはわかるんだけど…やたら幼い顔…。
「あっ!!ショタ!」
また突然大声を出すモモ。忙しいなぁ…コロコロ変わる。
「柴ケンさっきHRなんつってた?考え事してたら聞き逃した!まぁ後でショタに聞けばいいかと思って!」
なんか柴ケンに聞きに行くのも面倒いしな!と悪びれた様子もなく笑いながら聞いている…しかし俺は見逃さなかった笑太くんの表情の変化を…
「……いい加減にしろ!!毎回毎回!面倒だからって俺に頼りやがって!!テメェなんか4の字固めだ!!」
笑太くんはモモの体をガッチリ捕まえ一気に力を込めたけど…ありゃ?それって
「いだだだだだだだだだだだだだ!!ショタ!違う!!!それコブラツイストだから!」
「黙れぇ!!どっちでもいいわボケェ!!あとショタって言うつってんだろ!覚えとけオラァ!!」
なんだか色々あったけど…なんだかいつもと違うこの感じが、上手く表現できないけど。
確実に何かが違う!と期待せずにはいられなかった…
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