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トイレってのがアレですが…
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無様だ…
なんて無様なんだろう。受け身も取れず盛大に顔からすっ転んだ挙句に鼻血をだした。しかも両方からとか、笑える
俺とモモの席辺りで適当に昼ごはんを食べる。俺らの席は名前順的に廊下側の一番後ろと後ろから2番目だ。比較的たまりやすい席。
「塩むすびがなんか血の味がする…。気持ち悪い…」
「ぶはっ!塩のおにぎりなの!?ウケる!てかナオの鼻にティッシュ詰まってるとかシュール過ぎてウケる!!お前って意外に鈍臭いな!」
ここでも笑転げるか…モモは本当に楽しそう。一体なにがそんなに楽しいのか分からないくらい…楽しそうだ。よく笑うし、突然プンスカ怒ったかと思えばまた笑う…コロコロ表情が変わる。なんかいいよなぁ。モモって…俺には無いものをたくさん持ってる。
「ご…ごめんね、ナオ君…本当に…」
今にも泣きそうな笑太君…なんかこっちこそ転んでごめんね?って逆に罪悪感を覚えてしまう。そんな顔してる。
「おっはよう!!!トウ!!」
元気良すぎる挨拶と強すぎるチョップが俺の脳天に直撃した。ちょっと!おにぎりと一緒に舌まで噛みちぎるとこだった!!
「…………おそよう」
「おーおそよう。てかモモとショタじゃん!お前ら同じクラスなのな!」
「おー!聖司!まさかの昼休み登校とかいい身分だなぁ!」
「ショタ呼びすんな。」
「うっせ!ちゃんと遅れるって柴ケンに連絡してるし!俺お利口さんだし?てかショタ相変わらず冷てぇな!!」
カラカラと笑うこいつは矢野口 聖司。別名17号。あだ名の由来は俺と一緒。あっ…そうだまた勉強教えてもらわないと…来週ヤバイ学力テスト…こいつは学年トップで学力テストは学校全体でトップ…信じらんない、バケモンじゃん
そんなこんなでもうそろそろ昼休みが
終わる。眠い…次絶対寝る…
「あっ俺トイレ行ってくるわ。顔洗ってくる。」
教室を出て奥の男子トイレに入る。血ぃ止まったかな。やぁ鼻血は久々に出したわ…適当に顔を洗って袖で顔を拭いていると
「ナオ?」
とそばかすの目立つ顔がドアからヒョコッと覗いた。不覚にも可愛いと思ってしまった…
……男に可愛いって…どうした…ナオ。
「んー?何?モモ」
おずおず?モジモジ?なんかそんな感じで俺の前に立つモモ…どうした…さっきの豪快なモモは何処へやら?って感じ。
本当にどうした
「あーや。そのさぁ、よく考えたらナオが転んだの俺のせいだなって思ってさ。
」
本当にどうしたの!?頭打った!?しおらしいというか…なんか変!もしかして笑い過ぎてどっか頭のケーブル的なやつ切れたの!?
モモは少し黙って自分の手の甲を口にあてる
「俺が笑太を煽らなければあーならなかったし、ふざけてナオを盾にしたから…笑太にも罪悪感………感じさせたワケだし。ナオにも痛い思いさせたし。だからその…………ゴメン…」
自分のセーターの裾をいじりながら少し小さな声で自分が感じたコトを言ってきたのだが…またコロっと表情が変わり
「でもなんか悔しいからショタには言わない!!!ナオだけ!」
と今度は悪戯っ子ぽく笑った。
いきなり心臓が激しく動き始めた…自分の耳に反響するくらいすごい音。
なんだなんだなんだなんだ!?トイレ中にこの音が響いてるんじゃないかってくらいすごい!ちょっと!こんな音聞こえたら恥ずかしい!!止まれ心臓!!はい!停止!止まれーー!!止まって下さい!!あっいや…止まったら死ぬか…今のナシ!!!いったん落ち着いて下さい!心臓様ァァ!
音を誤魔化すつもりで俺も声を出すことにした
「や…大丈夫。元々俺が鈍臭いせいだから…モモは悪くない。笑太君も。」
キョトンと俺を見る…今度はふわりとハニカミ気味で眉を少し下げながら笑い
「おう。じゃぁ俺が99%悪くてナオは1%
鈍臭いのが悪かったってことで!」
もっとモモのいろんな顔をみたい…ふとそんな風に思った…2人きりで会話をしたのは今が
初めてだ。トイレでってのがなんか、うん…アレだけど。2人きり…そのせいか無性にもっとモモを知りたいと思った。
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