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なんで…
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金曜日学校帰り。
今日は聖司に勉強を教わる日であります!
勉強を教えて下さいと懇願したのは…俺たち…俺たちだけどさぁ
「よしきたぁ!!!!シークレットー!!これで全種そろったぁ!!」
嬉しそうに飛び跳ねるデカイおかっぱ野郎。こんなに金使うと思わなかった。俺らおこずかい制よ?おい。高校生のお財布事情を無視しやがって…ガチャポンて…意外に…
「ガチャポンて…意外に高いんだな…」
自分の財布の中身に視線を落としながら
悲しそうに言うショタ…いつもの強気のカケラも無い。それだよ…俺も言おうと思った…
「ね…。今回は3つもやりたいのがあったのは予想外だった。」
あの鉄壁の無表情のナオですら悲しそうな顔をする。2人の定番の人格と表情をも破壊する、ガチャポン騒動…
「甘いなぁ〜。」と笑う聖司
「タダで教えてもらうよりこういうのあった方が無駄にしないだろ?ギブアンドテイク!等価交換!その方が教える側、教わる側に責任みたいなのが生まれるだろ?」
ガチャポンのカプセルをかぽかぽ開けて捨てる。……まぁ…言ってることはわかる…
わかるけどさぁ…
「この野郎!!やり過ぎだボケェ!!!」
「まぁまぁ〜怒るなって!」
俺たちは学校近くの学生の味方マク○ナルドに入る、適当に飲み物やら食べ物を買い、ショタと聖司、ナオと俺が向かい合わせになる形で席に着いた。
「よし。まず苦手教科は?てか今までのテスト持ってきた?」
みんなで一斉に答案を差し出した。
「まぁナオはいつも通りか…ベタだよなぁ〜外人顔なのに英語はまったくってな!あとは数学な。」
「顔は関係無いよ。粋な日本人だから。」
「ショタは〜…おお。お前も数学苦手なんだ?あっでも英語微妙!!あとマイナス2点で赤点!ウケる〜!」
「うるさい!!横文字と数字が苦手なんだよ!微妙いうな」
おお…
いよいよ俺か…俺の番だな!
「よし!モモ!見せろ!!」
「おうよ!!」
勢いよく答案を机に叩きつける、が。
……………?
なんだ?聖司の顔が強烈に険しい…
あれ?目頭抑えてる。なになになになに?なんだよ??覗き込んだナオまで微妙な顔してる。あっ!ショタ笑うの堪えてやがる!
殺す!マジいつかコイツ東京湾に沈めてやる!!うぜぇ!カオがうぜぇ!!!
「モモ…お前良く進級できたな…もはや奇跡だよ…成績並とか言ってっけど嘘だろまじ、謝罪しろよー!」
「はっ?なに?そんなに悪い??」
「ぶふー!!コレがヤバイって気づかない時点でもう頭やばいだろ!」
「……俺より出来ない人っているんだな…あっでも数学だけ点数ずば抜けてる。スゴイね。」
おのおのに感想をブチまけてくるが…
「ちょっと俺不安になって来た。モモ大丈夫かよ…だってさ数学以外平均20点前後って…もう神の領域だよ、なんで数学だけ98点なの?意味わからん。」
額を机にグリグリしながら唸る聖司…
とりあえず平均してみんなが苦手な英語をかたずけナオとショタはコツを掴んだ様だが…俺はさっぱり……その前に英語が読めなーい!!!なんじゃこりゃ!わからん!記号の羅列にしか見えない!!
「ダメだー!!!俺もうどうしたらいいの…モモ…俺が折れそうだよ………もうダメだ、わかった、学力テストは4択で番号書き込み式。ひたすら単語を書き写せ、文字の形で覚えろ!なんとなくでいいから!あてずっぽうでも当たる確率はある!」
あっ…こいつ投げた!!俺のこと投げた!!
さっき責任がどうのとか言ってなかったっけ!?どこ行ったギブアンドテイク!!
……でも身体で覚えた方が早いかもしれない…わかったよ…ひたすら範囲を書き写して覚えてやるよ!!
「次は数学行くか…てかモモは数学得意なんだろ?」
大きく伸びをしながら聖司が俺の頭の下痢ツボをグリグリ押す…やめて!!下痢になる!!
「んー、得意かはわからんけど好きだよ?」
「一対一で教えた方が多分いいだろ?分からないとこも違うだろうしさ?お前はナオ、俺はショタの面倒みるから、どう?」
そっか、その方が早いかも…
チラッとナオを見るとこっちをジッと見てる………………なんか恥ずかしいな。同じくらいの目線で向き合うのは多分初めてかもしれない。やっぱり綺麗な顔…これで無表情とか勿体無いよな…つか笑ったらどんな顔すんのかな。てか笑い声とかも聞いたことないし…一定のテンション…
「 モモ? 」
顔の前に長くて綺麗な指をした大きな手がヒラヒラと動く。ハッとした…
「あっ!うや!なに!?」
「大丈夫?疲れた?モモだってやらなきゃならないのあるでしょ…だから無理はしないで…」
顔を覗き込んでくるナオ…
う…これされたら女子はイチコロだろう。ナオは優しい。表情は一切変わらないけど今どんな気持ちかってのはよく伝わって来る。
俺がショタとの小競り合いに巻き込んでもいつも「大丈夫」って許してくれる…。これでニコッなんてされてみ?心臓バクバクいうよ?間違いなく……
あれ…何言ってんだ俺は。
「痛…」
ナオのお決まりのセリフで我に返る…コイツ。本当にアホじゃなかろうか。なぜそっちを押すんだ。
「あー。またやっちゃった。血…」
みると右の親指から血が少し出ていた。
だからさぁ〜〜〜!!!!
「なんで!?そっちは芯が出る方!!芯を送り出すために押すのは反対っ側!!いつもいつもいつもー!!」
なんか調子狂う…
俺こんなに人にお節介しないし面倒見たりしない…嫌いなんだよ…でもなんでこいつにはしちゃうんだよ…やだ!本当にやだ!怪我すんな!気になるんだよ…
「あっ…うん、ゴメン」
グレーの様な緑の様な不思議な色の目…ナオは真っ直ぐ俺を見てくれる。俺はバカ騒ぎしたりふざけるのが好き。笑ってもらうのも好きだ…けどみんな目をみない…お互い目を見て本気で笑ったり喧嘩したりなんて…ショタは家族同然だからまた別だけど…みんなしない。話すときも俺が怒ってるときも笑ってるときも…ナオは俺から目を離さないでいてくれる。だから…
ボソッ…「気になるじゃんか…」
ほっとけない。突き放せない。
なんでこんな気持ちになるか謎なんだけど
本当…なんで。
そしていつものように絆創膏を差し出してしまう…
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