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明日の5分前
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うーん
最近なんだかおかしい。
日曜日の夜23時20分
明日はいよいよ学力テスト本番
なので聖司に教えてもらったトコロとモモに教えてもらったトコロをひたすら勉強するつもりなんだけど…
「全然集中出来ない…」
昼からやっているけどいっこうに進まない…
椅子にもたれながらダラダラと
一つの事を考える…
最近本当におかしい…
まだ新学期が始まってそんなにたってない…けど…そう、俺はやたらモモが気になってしまう…なんでかな
俺がドジして怪我すると文句言いながらもすぐ絆創膏を差し出してくれる。俺はそれに甘えてしまう…今までは怪我してもあまり気にしなかったのに…それにモモはいつも真っ直ぐ俺を見る。真っ直ぐ見て笑って、怒って....
色んな表情をする
「わー!もう!なんなんだろ、このモヤモヤ!!」
「っ!?わぁ!!!」
ガシャーーン!!!
「イッタ!!うぐぐぐ……」
後ろに仰け反り過ぎてバランスを崩して椅子ごと倒れてしまった…痛さのあまりにドタバタのたうち回ってると
「うるさい!!アンタさっきから!身体デカイんだから騒音半端ないよ!!それと声もデカイ!私の部屋まで丸聞こえなんだけど!!!」
勢い良く扉をあけて怒鳴り込んで来たのは姉だ…年は22…結構年離れてるんだよね。姉は俺と正反対でキーキーうるさい。猿山のサルみたいなヤツ…女らしさのカケラもなくガサツ、身長ももちろんデカイ。だが周りには美人と言われている…世の中よくわかりません。殺されるから言わないケド
「……すみません。」
「まったく。うん?あれ…アンタ珍しくない…謝るとか…あれ!?アンタ1人で喋ってた?!」
やたらと驚く姉…
あぁ…そっか俺家でもあまり声出さないから驚いてんのか、身体はデカイのに静か過ぎて部屋に居たことを家族によく驚かれる。
「あーうん。喋ってた…」
…………
しばらく目を見開いて俺を見る姉、そして自分の長い髪をいじりながら
「ナオってそんな声してたっけ…」
なんか…家族に認知されてないって、なんか悲しいな…まぁ俺が悪いんだけど。決して家族と話したくないとかそういうことじゃなくて、ただ俺の口数が少ないだけ。
「……まぁ…こんな声だけど」
なんだか初対面みたいなこの空気…
すると姉が
「なんか…あった…の?ほら…なんていうか、モヤモヤするー!って叫んでたし。」
髪の毛先をイジイジと触りながら、珍しく突っ込んで来た…普段あまり会話をしたことがなかった。仲が悪いわけでもない…ただ男と女の兄弟って多分そんなベッタリもしないと思う。でも…なんかイイな久々に喋った。
「いや…なんて言うか…最近気になることって言うかそんなんがある」
「ふーん?どんなこと?」
……そうか、姉に相談してみるのも1つの手かもしれない。聖司に話すとなんかめんどくさそうだしモモ本人にはなんか聞けないし、笑太くんはまだちょっとお互いに遠慮してる部分があるし…。
家族に自分の話をするのは初めてかもしれないな。とくに発信する情報もなかったし唯一発信していたのはテストの点数とかそんな感じの事だけ…じっと俺を見つめる姉…なんか気恥ずかしいなと思う。まぁ…よく見ると美人系なんじゃない?よく見るとだけどね。
話をしようと口を開きかけた時
「そーいえば、ナオって彼女いんの?」
突拍子もない質問に一瞬自分の時が止まってしまった…
「えっ?」
「え?いないの?好きなコとかさ」
え?彼女……かっ…彼女とか小洒落たもんは俺の17年間の歴史では1度も出来たことないけど…
スキナ…コ?
「えっ?」
「えっ!?何…ちょっと気になっただけよ?ただ気になってただけだから!」
なぜか焦り気味に言う姉…
好き?スキ?好きな子?
え?なんだ?…好きな子って…
「だって興味あるお年頃でしょ?高校生男子。いやいてもおかしくないしな〜と思って…気になるし、ほら!私でも彼氏いんだからナオにもいるかな〜なんて」
ほぉ…姉には彼氏がいるのか…
よかったね、お猿さんが人に進化できるね…いやいやそんな事はどうでもいいって!
頭がこんがらがって少し停止してしまった。そんな時また姉が口を開く…本当この人せっかち、考える暇をくれない
「ちょっ!今から彼氏と待ち合わせしてるの!私5分前行動人間だからもう出かけたいんだけど、その感じだと好きな子はいそうね、帰ってきたら続き聞かせなさいよ!じゃぁねぇ」
そういってニヤッと笑いながら手をヒラヒラ振って部屋を出て行った…彼氏さんご苦労様です…
「好きな子はいそうね」…は?どう言うこと。俺好きな子いるの…?姉の言葉が頭の中でリピートする…
突然心臓が大きく跳ね出した。アレ…この感じ前にもあった…よね?いつだっけ…
1人残された部屋で響く自分の心臓の音と時計の秒針音…
ドクン、ドクン、ドクン…
カチ、カチ、カチ、カチ…
やたら耳に響いてくる。
そしてあの時の感覚がフラッシュバックした
男子トイレ…2人きりで話しをしていた。
そして彼はいたずらっ子ぽく笑う…
「モモ?」
その名前を口にした瞬間全身の血が沸騰したんじゃないかと思うほど熱くなって身体中を駆け巡った。
「うっわぁ…なんだ…これ…」
デカイ体を抱え込むようにしゃがみ込む。
心臓がおさまらない…顔が、身体が熱い
えっえっえっ!?なんだ!?俺って…あれ…もしかして…
「モモが…好きなの?」
ふと時計をみると日付が変わる5分前…
うわ…どうしよ…明日からモモをみる目が変わってしまうかな…どうしたらいいんだろ
普通にいつも通りに出来るのか…こんな感覚は初めて…だよな…どうしよ…
自分の顔を両手のひらで触る
熱い…今鏡みたらきっと顔ヤバイと思うから見ない…けど今までにない顔してると思う…
……………………………………。
「バカ姉…気づかせやがって…」
俺はそこからしばらく動く事ができなかった…
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