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結果と変化1
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あれから数日…昼休み、1人自販機でサイダーの缶ジュースのボタンを押す…ガコン!と鈍い音が響く中、あるコトを考えていた。
昼休みが終わったら、テストの点数と順位が書かれた通知プリントの返却、それと補習であるかが決まる。俺は、勉強会の成果を出せたのか…いや!いつもより解答欄が埋まったから!大丈夫、な!はず!無限補習ループから抜けれるはずなんだ。
……でも、今、結構そんなの…どうでもいい。ここ何日間かね、ナオの様子がすごくオカシイ。周りに言ってもみんな口を揃えて「どこが?」って言う。あからさまにオカシイって!!なんで気づかないかなー。聖司だけはよくわからない笑顔を浮かべてて、ぶっちゃけキモいし、ショタは「そっとしとくのも、相手のためだと思うけど?」って毎回言う…いつもこれ、口癖か!何がオカシイかって、ボーッとしすぎて、かつ挙動不審。なにか、一気にいろんなコトを考えてる、感じでさ…余計に口数が、少ないし、俺が話しかけるとなぜか、慌てる。元々じゃん?って言われたら、それまでだけど…明らかにいつもより酷い。でも、1番気になるのは……目を合わせて、くれない。俺が顔を見ると、目が泳ぐ。俺、なんかした?
なんかイライラしてきた。
はっきり言えよ…あーもう!ちょっと一発言ってやらないと気が済まない!!教室に向けて駆け出そうとした時、勢いよく首後ろの襟を掴まれた。
「ぐえっ!」
「10円貸して、90円しかないから」
この声は〜!!まじ殺す!
声の主の方を振り向くと、案の定ヤツだ…
「ショタ!なにすんだよ!!この馬鹿力!!首折れるかと思ったわ!!」
「はぁ?これで折れるとか、マッチ棒かよ!弱〜〜」
ニタッと笑う顔がさらにウザい…10円をポッケから出してショタに押し付けた。そんで、さっさと離してもらおうと思ったら、
「少しはひと呼吸置けよ?ナオくんが素直に理由言うと思う?責めたら戸惑っちゃうだけだろ。感情だけで走ると、良い方に行かねーから。お前の悪いところ」
襟から手を離し、自分の飲み物を買うショタ………うっ…まぁ、一理あるけど、たしかに、ナオが何したってわけじゃ無い、ただ俺が気になってるだけ、で。
…こいつは、正論を言う。即行動の俺を止めてくれて、これに助けられた事は何度もある。でも、ショタに言われると、なんか腹立つ…腹立つ!!
「お前騒ぎ過ぎ。目が合わない時もあるだろ?特に深い意味は無いかもしれないし、もう少し様子みてやれよ。」
「うっせ!余計なお世話だわ!」
飲み物を自販機から出そうと、前かがみになるショタのケツを膝蹴りする。バランスを崩して自販機に顔面から突っ込んだ。相当痛かったらしく、その場でうずくまるショタ…やり過ぎたか…逃げよう、多分殺される!!と思ったと同時に涙目の顔をガバッと上げ、
「この腐れキノコ!!死ねぇ!」
ゴッ!!!!
「痛っっっ!!!アッツ!!」
コトもあろうか熱々のコンポタージュの缶を額めがけて、勢いよく投げつけられた…マジでこいつ力強過ぎて痛い!!!…なんだか、こいつの前だと素直になれんのよ…俺。
一悶着終え、俺らは顔に赤い後を付けたまま教室に戻った。あれ?ナオと聖司がいない…教室全体を見渡してみると、いた。デカイ影が2つ…カーテン越しで影になっていて、ベランダに立っている。そこに俺とショタも加わるためベランダに出る。
「ぶっ!なんだお前ら!?また喧嘩したのか〜こりねぇな。」
俺らの顔を見るなり盛大に聖司が吹き出し、ショタの赤くなってる鼻をぎゅーーっと摘まんだ…
「イーーーッテェ!!!触んな!摘まむな!!俺に構うなぁ!!」
「ぎゃはははははは!!」
最近めちゃくちゃからかわれてるよな!ざまぁ!ショタくそ!!2人のやりとりをこみ上げる笑を堪え気味に見ていると、視界に大きな影が入ってきた。そして、突然大きな手が、俺の前髪を上にかきあげ、額に冷たくて、硬いものが当てられた…
「たんこぶ、できちゃうよ」
そう言って、買ったばかりであろう、水のペットボトルを俺の額へアイスノン代わりに当てて、くれた…
視線を少し上にある顔に合わせる…相変わらずの、無表情。
「ナオ…」
「うん?」
あれ…?そういえば…目が、合ってる。俺が名前を呼ぶと、少し首を傾げて返事をした…けど、その目は、しっかりと俺を、見てる。不思議な色の目は、俺をしっかりと捉えていて、俺もまたしっかりと、その視線を捉えていた。
ちょっと今回ばかりはショタに謝らないとかな、膝蹴りした事…ひと呼吸置いてよかったかな。普通に、いつもみたいに、しゃべってる…俺の、騒ぎ過ぎ、だったみたい…まぁ、謝らないけどね!!!!きっとショタに「ありがとう」と「ごめん」は天地がひっくり返っても、お互いに言うことは、無いと思う。多分…負けた気になる!!
でもまぁ今回は、心ん中で思ってやらんことも、ない…ナオを責めずに、済んだ…うん、その、「あんがと」
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