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未知な倉田家
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「また月曜な〜」ヒラヒラ手を振りながら十字路を左に曲がって飄々と歩いていく聖司。カラカラと1番明るい奴がいなくなると少し静かな気がする。
「じゃぁ、ナオくんゴメンね。そいつ宜しく、ウザくなったらつまみ出していいからね!」って家に入って行くショタくそ、余計なことばっか言いやがって、小姑かアイツは
自分の家を通り過ぎて奥の道に来るのは滅多にない。
大きな横断歩道があってそこを渡ってさらに奥、割と人通りが多いのは意外。すれ違う人はナオを見る中には振り返ってまで見る人がいる。顔がいいって目立つのか〜、背もでかいし、外人顔でやっぱかっこいいんだ、ナオって。おもに女の人が振り向くもんよ。
猫背気味なのがタマニキズ
足長いくせにゆっくり歩く、いつもそう。
のんびり、ゆっくり
雰囲気にもそれが出てて落ち着く。
あっ、そう言えばどこの国の血が入ってんだろ?聞いたこと無かったかも
「え?言ってなかったっけ?…フランス」
「ヘェ!!フランス!?かっけー!」
「そ、う?とうさんがハーフでじいちゃんがフランス人」
なんて情報も教えてくれた。
知らないこと片っ端から聞こうと思って頭の中にリスト作ったんだ、謎解きをしようと思う。
ひたすらひたすら、住宅街を歩く
すげーでかい家があって、ひたすら壁が続く。木の枝とかはみ出してて、塀の上から枝が凶器みたいにボッ!て、あぶねぇなぁ
「うわっ、あっ、イタタ」
バキバキバキ!!って細い枝がたくさん折れる音とテンション低めな声がした、真横で。
あぁ、こうやってこいつは怪我してんだなって納得。顔をみるとほっぺにミミズ腫れ。引っ掻いたんだな…普通気づくよな?あんだけ固まって枝が出てたら
「前みろよな〜絆創膏は?」
「いや…血、出てないから大丈夫、ありがとう」
「本当、鈍臭いな」
にしても…デカイ家…まだ塀が続いて、はっ!まさかここがナオん家ってベタなオチッ
「ないよ」
「んははは〜だよね〜」
「でもそこ右行ったら家」
ちょうど長い塀が切れたところがT字路
そこを2人で右に入ったとき俺は人にぶつかって押し負けた
ひっくり返った、無様に
「きゃぁ!ごめんなさい!?大丈夫かしら!?!あららら、ナオ」
「母さん…ちゃんと前みて歩きなよ」
顔を上げるとほんわかしたタレ目の美人な女の人、その人をナオは「母さん」と呼んだ
お母さん!?
「モモ、ゴメン、大丈夫?」と絆創膏だらけのナオの手が俺を引き起こしてくれた
「あなたがモモちゃんね??ごめんなさいね、慌ててたの…お怪我はない?」
「あぁ!大丈夫です、コッチこそ、すみません」
ナオに立たせてもらって、白くなったパンツをはたきながら顔を上げて、俺は言葉を失った
2人とも、デカっ!?!お母さん、俺よりデカイ!嘘だろ?
何センチあんだよ、俺176あるよ!?お母さん何センチ!?
「ナオがお友達連れて来るなんて!小学生以来かしら〜嬉しいわ〜!でも私今から出張なの…パパもいないから、ご飯セルフになっちゃうけどいいかしら」
「え、じいちゃんばぁちゃんは?」
「箱根行ってるわよ?ロマンスカーよ!」
「ロマンス…そ、う」
なんかナオも家族の前ではこんな感じなんだって思ったらなんか、嬉しくなってきた。想像つかないしさ?いつもの感じだと、家ではなんも喋んないとかありえたし、なんだ、普通じゃん!
「残念だわ…お話したいけど、またお話しましょう??」
「あっ!もちろんです!今日は突然すみません…お世話になります」
ゆっくりして行ってね〜とふわふわ笑いながらどっかに歩いて行った。
あんまナオに似てない。お母さん要素がナオには全く入ってないけど
「あんま似てないね?」
「うん、俺ほぼ父さん似なんだ」
じゃぁお父さんはこんな顔なんだ?やっぱ親も美形ならナオもかっこいいワケだ
遺伝子の差か、すげぇ
でも雰囲気はお母さん似かもな、柔らかい
曲がったとこから、3軒目の前で足を止めた。表札には『倉田』ってかいてあってその横には『犬』ステッカー
…ナオの家
うわ、なんか緊張してきた!ここでナオが生活してんだ、とか思うとなぜか緊張、未知が詰まった所。胸の高さ位の門を開けて中に、縦長な家で3階建て?
「何階建て?3階?」
「うん、ウチある意味二世帯だから」
「じいちゃんばぁちゃんが一階にすんでて2階が俺らで、3階の屋根裏がきょうだいの部屋。でも玄関はみんな一緒」らしい
玄関入ると目の前が階段
そこを上がると、開けたリビングがどーん、廊下が全くない
「荷物、部屋に置きにいこう」
「おぉ?ナオの部屋??」
「うん」
またリビング脇の階段を登ると、ドアが三つ。一つはトイレ、コッチって案内された奥の部屋、ここがナオの部屋らしい。
なんかしんないけどドキドキする。ドア開けるなりいきなり前にいる巨人は鴨居に額を強打した
…安定か
「大丈夫かよ」
「うん…」
で、中は綺麗とも汚いとも言えない普通なかんじ。ただ、変なこといっていい?変態とか思わないでね?いい??
めっちゃ、いい匂い。
なんでこんないい匂いなの?ナオっていい匂いだとは思ってたけど、部屋とかさらに、匂い…かっこいいやつはいい匂いなんか!?はぁ、つか
「熊のぬいぐるみ、めっちゃ怖いね」
「あぁ、ばぁちゃんにもらって…さ?」
「ハイセンス」
吠えてる顔のツキノワグマのぬいぐるみは、ちょっと場違い
まぁ、いいけどさ。カバンとか適当に置いて何と無く部屋を見渡してみると…意外に漫画が多い。
読むんだ?漫画
俺が集めてる漫画とナオが読んでるのほぼ一緒でびっくり
あっ、勉強机の上に俺があげた、アルゼンチノサウルス置いてある。なんか嬉しいな、映画のDVDとかも山積みで…ナオはクローゼットの中の引き出し開けてしゃがみ込んでる。生活感あるよね、もっと無機質な部屋想像してたけど意外と明るい部屋
「モモ、着替える?スウェット俺のでいい?」
「あ!ありがとう」
そう言って手渡されたグレーのスウェット
…デカイ
そりゃそうか…デカイに決まってるよね?190越えだもんね
バサバサ制服脱いで袖を通してみたものの、デカイ!!ズボンなんかヒモ結ばなかったら、ストン!!て落ちる勢いだし、足の長さが根本的に違う
ナオは真っ黒のスウェット、丈はジャスト
俺は引きずる。ウケる、片腕まくると反対の肩がでる、ズルって
…まぁ、俺、痩せてるしな、うん
「モモ、制服かけるからちょうだい」
「あ、うん」
意外とテキパキとこなす。シャツは洗濯カゴに持ってこうってことで、ズボンとセーターを手渡してふとナオを見ると、まだ上を着てない、上裸
ぶっちゃけ予想以上のいい体
程よく筋肉ある、腹筋すげぇ…運動音痴なのに?なんだその体、クローゼットの中に制服をかける後ろ姿が妙にカッコいい
筋、って思って背中を触った、ら
ガッ!!ゴッ!!!
って突然驚かれた。下にある引き出しに2連撃で膝をぶつけてた。そんな驚くか
「な、に?」
「いや、ゴメン、意外に筋肉あるなって」
「そ、んな、ないよ…普通だよ、ホラ、腰周り肉…ね?」
「はぁ!?肉に入んねぇよ!これが普通!?見るか俺の腹筋!!アバラ浮いてんぞ!!貧相すぎて可哀想だ!」
上を胸までめくってナオにみせたら…「モモ、ダメ、お腹冷えちゃう」って、なぜかズボンの中に裾入れられてウエストの紐をギュウッて縛られた。なんだよ、そんでナオは白い半袖のTシャツをばさっと着る
半袖って…春でもまだちょっと肌寒いぞ?
俺の視線に気づいたのか少し考えて、首を傾げながら
「あ、モモも半袖の方が良かった?」
「や、俺寒がりだからこれでいい…寒くねぇの??」
「…俺暑がり」
チョー意外、寒いのダメそうなのに
なんか面白い。そいや、隣の部屋は誰の部屋かな?兄弟って言ってたけど、兄ちゃん?姉ちゃん?弟??聞いてみようとナオを見ると、ベットの上に洗われた洗濯物が置かれてて、床の端にバサバサそれを落とすと、1枚…どこ隠すの!?ってくらい布面積が小さくて凄まじくヒラヒラした女物のパンツが落ちた
「え!?ナオ!?」
「ちょっ、違うよこれねぇさんの」
そう言ってデカイ手でそれを鷲掴みにして廊下に投げて扉を閉めた
ねぇさん…そっか、お姉さんがいるのか、ナオには
「ナオ、女ってあんなんはいてんの?」
「…そう、なのかな。ねぇさんはあんなんばっか…」
「ふ、ふ〜んきょうだいはお姉さんだけ?」
「…う、ん…そう」
??、なんだかよくわからない返事…なんか俺、マズイこと聞いちゃったのかな?と突然廊下から
「あ!!また、ちょっと!ナオあんたねぇ!!!」
って大きな声がしたかと思ったら
勢い良くドアが開いて、くるくる毛先がカールしたロングヘアのナオと瓜二つの顔した女の人が入ってきた
「あんたねぇ!!廊下に投げんなって何回言ったら、あら、友達?」
「あ、えと、小日向 百ですお邪魔してます」
「あららら、あんた友達いたのねぇ??」
「うるさいな…」
ニタッと笑うお姉さん
なんかナオとは正反対、すごく賑やかで元気そう。にしてもめっちゃ美人、ナオが女装してんのかってくらい、いや、ナオが女装したってゴツいよな、いや、どうでもいいな
でもマジで似てる!ビビった
「ふーん?モモちゃんね?私エリカ、宜しくね!あ、ナオ、私今日彼氏ん家泊まるから!」
「え…あぁ、はいはい」
「じゃぁモモちゃん、まったね〜」
って超笑顔で出て行った…騒がしいつか元気、友達いっぱいいそう
いいな…きょうだい…。
「ぁぁあっ!!」突然、さっきよりまたさらにデカイ声でお姉さんが叫んだ、かと思ったらまた勢い良く、部屋に戻ってきた!?な、なんだ!?
「ナオ!!ユウシくん!荷物取り来るってぇ言ってたよ!」
「え、ウソ…いつ」
「今」
「ウソ…ちょっと…ねぇさんココに居て…」
「無理〜!待ち合わせしてるから〜、モモちゃんいるし?頑張って!」って笑いながら出て行った。
ユウシくん?
ナオを見ると、恐ろしいくらい無で固まってる。真顔…ド真顔…なになに?誰?ユウシくんて、ちょっ!真顔過ぎて怖いんだけど!!何よ
「ナ、ナオ〜?お〜い?」
「あ…いや、どうしよ」
「なぁ、ユウシくんて誰?」
「えと…あ、やぁ…」
言いかけた途中で突然「ヴ〜〜〜〜!ワンワンワンワン!!!」ってキチガイみたいに犬が吠えた。
かの有名なお尻さんか!?ともう一つ聞きなれない声が…
「んだぁケツ犬!!相変わらず俺の事嫌いだな!?吠えんなよ!パンに挟んで食うぞコノヤロウ!よぅ、エリ、彼氏ん家?」
「ユウシくんお久〜!うん行ってきます〜上いるよ」
「マジ!いんの!?ナオーー!!!」
元気な声と階段を駆け上がって来る足音…誰だ?誰が来るんだ??ドアノブが下にグッと下がった途端、突然無で固まってたナオが、ドン!!!てドアを抑えにかかった
ボソッと一言…「悪魔」
そう漏らした
な、なになに…なんなの?
「あ"!ナオ!!コラ!!入れろ!!」
「うるさい」
ものすごい低い声で一言、ちょっと雰囲気違う…力いっぱいドアを抑えるナオ…なになに!?本当なに!?そばに寄ってナオの顔を見ると
ビビった
初めて
初めて、ナオの眉間にシワが寄った。普段あんな、目と眉離れてんのに、すごく近くなって、渋い顔。表情が、動いた…すげー嫌そうな顔
表情筋生きてる!?
あ、や!そうじゃなくて!
…初めてなんだけど、表情変わったの見るの
「おいナオ!!入れろ!荷物取らせてマジで!!」
「……取ったら、帰ってよ。俺に触らないで」
「そんな事いうなよ!?意地悪!!帰る帰る!仕事だもん!」
渋々ドアから手を離した瞬間
勢い良くドアが開いて、案の定、ナオの額に直撃した。
痛そう
怯んだナオに勢い任せに飛びついてきたのはナオと同じくらいはあるタッパの持ち主の金髪の、巨人
そのまま床に倒れこんだ
すげー勢いで、つか、本当誰
「ナオーー!!愛してる!!ナオー!ぶはははー!めっちゃ可愛い!!」
「……。」
「んあ?誰、友達?」
「あぁ…そうです」
大きい犬触るみたいにナオをグリグリわしゃわしゃ触ってたかと思えば、ばっと立ち上がってニカッと笑った
あれ、なんか雰囲気が…床に仰向けで倒れてるナオをみると、相当痛かったのか額抑えてジッとしてる。
マジでさっきのは可哀想だった
また男の人に目を移すと、相変わらずヘラッと笑ってる。タッパは190越え間違いなし
黒の半袖Tシャツにグレーのニッカポッカ…あ、アレかなほら、鳶職!そんなかんじで
顔はすごいタレ目で瞳はグリーンのようなグレーのような、口の左っ側にホクロ、…金髪っぽい髪にちょびっと天パでセンター分けの前下がりっぽいショートヘア。
極めつけは首、手、腕に貼られた無数の絆創膏…まさか、この人!?
「ウィ〜ス、ナオの兄ちゃん倉田ユウシで〜す」
「兄ちゃん!?!」
チョー予想外な展開!!まさかお兄さん居たとか?!しかも、タイプ真逆
やっとナオが立ち上がった
2人並ぶとちょっと怖いくらいデカイ…。威圧感半端ないんですけど
ナオを見ると相変わらず、嫌そうな顔…こんな顔すんだ。ナオって
しかも初表情が、「嫌な顔」
微妙な気持ち…なぜか
今日イチでのトンデモ大発見…表情が、変わった
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