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だめだ。
だめだ、だめだだめだだめだだめだだめだ!
こんなんじゃ、だめだ。
なぁ昴。好きだよ。好きで、好きで、息ができなくなるほど。
だけどそれだけじゃだめなんだ。
それだけじゃ、誰も認めてはくれないんだよ。
俺、”命”を背負う覚悟なんてできないよ。
さっきの言葉は、ただの強がりだったんだ。
それでも、自然に出てきた、言葉。
あの時はただ精一杯で。
真剣に考えていなかった。
・・・ここに来て、考えてしまう。
”命”を背負うって、なんだ?
”命”を無駄にしないって、どうすればいい?
圭一さんの願い、本当に叶えられるのか?
圭一さんの気持ちに応える事ができるのか?
こんな中途半端な、俺に。
昴。
俺、そこまでの覚悟、できてない。
ごめん。
ごめん。
ごめん。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
俺に、人一人分の命を背負うことはできない。
そこまでの勇気がない。
なんで。
なんで、一緒にいたいってだけじゃだめなんだ。
覚悟なんか、できないよ。
「っ・・・・す、ばるっ・・・・・・、」
ごめん。
こんな小さな声でしか、お前の名前、呼べない。
「・・昴・・・昴・・・・っ」
なぁ、昴。
助けて。
「・・すばるっ・・・・・!」
ごめん。俺、昴に助けを求めることしか出来ない。
役に立ちたいとか、幸せにするとか。
そんなの、嘘だ。ただの偽善だったんだ。
昴をここに留めておきたくて。
離れないで欲しくて。
ずっと好きだって思ってて欲しくて。
必死に考えた、俺の偽善だったんだ。
ごめん、昴。
このドアを引く力、俺はまだ持ってない。
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