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着いたのは、病院だった。
俺の家から、車で30分ほどの病院。
そこに、お前は、いた。
「・・・す、ばる・・・・・・・」
眠っている。
その、久しぶりに見る顔は、相変わらず、綺麗で。
少し、痩せたようだった。
「・・昴・・・・・・・」
真っ白な包帯が、ほぼ全身に巻かれていて。
痛々しいその姿を、見つめながら。
「・・・・・昴・・・・・・・」
返事を、してくれと。
願う。
なぁ、なんで。
なんでお前、あんなことしたんだよ。
前から行動が行き過ぎるなとは思っていたけど、
あんなこと、すると思ってなかった。
死にたかったのか。
消えたかったのかよ。
俺の、前から。
「・・・・・・・・最低だな」
は、と。
自嘲的な笑いを零した。
消えようとしたのは、誰だ?
俺じゃないか。自分勝手に、昴に別れを告げようとした。
あんなに、好きだと言ってくれていたのに。
自分の身勝手さを棚に上げて目の前で眠るこいつを責める自分。
苛々する。
自分が弱かっただけのくせに。
覚悟ができなかったくせに。
逃げようとしたくせに。
それでも。
あんなこと、してほしくなかった。
なぁ、どうして。
どうしてだよ。
なんで、死のうとしたんだよ。
―『好きだよ』
あの瞬間の、あの言葉。
なぁ。
そんなこと言うなら、言うくらいなら。
もっと傍に、いてほしかったよ。
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