アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1.
-
昨日、昴の意外な一面を知って、好きだと気付いた。
「好きだ」と言い合って、唇を重ねて。それがあまりに幸せで、その先まで行ってもいいような気がした。
早く昴と”完璧”に繋がりたかったんだ。
だけど、昴はその先をする素振りは見せなくて。
『今日はもう遅いし、帰るよ。おやすみ、海斗』
そう言い残して、家を出て行った。
キスも触れるだけで、正直、物足りなかったわけで。
その日の夜は、昴のことを考えて眠った。
ピンポーン・・・
家のチャイムが鳴る。
前はこの音にいちいちビビッてたんだな、と思うとおかしくて、一人で笑いながら扉を開けた。端から見たら物凄く不気味だろう。
「おはよう、海斗」
扉の外には、優しげな笑顔。
この笑顔を見ただけで上機嫌になってしまう。その度に、好きだなぁ、と思う。
本当に、昴の何があんなに怖かったのか。
それは昴の言動が人間っぽくなかったせいだとわかっているのだけど、昴を見ただけで、昴のことを考えただけで疑問に思う。
もう今は何も怖くない。
「おはよう、昴」
笑顔でそう返す。すると昴は「機嫌良いね」と言いながら手を握って。
「な、に手繋いでんだよ!?」
思わず昴の手を振り払う。手を繋げるのは嬉しいはずなのに、自然と気持ちとは裏腹な言葉が出てしまう。自分から離した昴の手が名残惜しくて、後悔していると。
「いいでしょ、別に。僕達本当の恋人同士になれたんだよ?」
そう言いながら、昴はまた手を握ってくれた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 77