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episode5 始まり
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「ねぇ。飽きた。なんか俺の性癖に刺さらない。
悠真くんのこと期待してたのに。」
咄嗟に放たれた言葉。
どれだけ時間が経ったのかすらもわからない。
勝手に連れてきておいて、勝手に期待されて
ここまで薬漬けして抱き潰して。飽きただと。
ぼろぼろと泣きわめき必死に逃げようと
していた僕はピタッと動きが止まった。
「っぁ、へ?」
「だから。飽きた。何回言わせんの。
折角だから、悠真くんの学校まで送ってあげる。
兄貴、車出して。警察学校まで。」
薄々気づいていたが自分が
囚われていた場所は、
車の中だったんだと明確に知ることになった。
(でも、、今戻ったら、門限過ぎているはず。)
「は、っ、、ゃ、、だ。」
悠真は啓くんのパーカーを噛んだが
呆気なく振りほどかれる。
「知っててやってるんだよ。拾ってもらえるといいね?
えっと、名前なんだったっけ?ほらハーフの。」
啓くんには、香山の愚痴含め、
学校の訓練が大変なことも話していた仲だ。
門限のことを知らないわけがない。
「遠慮はだめだよ?悠真くん。
俺ね、こう見えてもさ顔広いんだよね。
さすがにハーフ先生の連絡先は知らないけど、
男ばっかりしか居ない学校って、
飢えたやつしかいないんだ。知ってた?」
そういった後、啓くんはスマホを取り出し
僕に向けてフラッシュを何度も炊いた。
眩しすぎて目をつぶった隙に、
フリック音がタッタッタと規則正しく
聞こえてくる。
(なに、してんの。啓く、ん?)
悪い予感しかしない。
まさか、さっき顔広いって言ってた。
僕を撮って写真を学校の奴らに
送ってるなんて無いよな。無い、よな。
変な汗がドッと出てきて、寒気が背中を走った。
「っ、、ま、、ぁ、か。」
「そのまさか。もう学校着いたよ。
今の時間生徒に連絡したって無駄だから、
教官に連絡したら喜んでた。
お待ちかねだね、
汚いおっさん教官が。ははっ。」
嘲笑いながら芋虫の僕をワゴン車から
蹴飛ばすと、
スピード上げて暗闇へと消えて行った。
受身を取れないまま、
コンクリートに顔から突っ込んでしまい
頬は掠れ傷を負い、血で滲んでいた。
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