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『補血剤』
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「ふえーさっぱり」
やっと疲れたからだを
風呂で癒せたことに
幸せを感じる。
そんな俺に式は手にしてたものを
差し出してきた。
「……はい。」
「んー」
「苦手なのはわかるけど
ちゃんと補充しないと。」
「んー」
受け取ったパックの蓋を開ければ独特の鉄の香り。
正直、苦手だ。
でもちゃんと飲まないと
俺や式、刹みたいな
未熟者は理性を失いやすく、理性を失えば、人を襲いかねないのだ。
「あれ?みんなは?」
「白葉は電話でお呼ばれして
出掛けた。
後はみんな部屋にいるよ。
………ちゃんと飲んで。」
「飲むってば。」
ごくごくと飲めば
やっぱり苦手な味。
どうしてみんなこれが
上手いと思えるのか謎過ぎる。
「…。
俺も風呂入るから
眠るなら寒くしないように、ね。」
2、3度頭を撫でて
式はリビングを後にした。
……そして誰もいなくなった
ってなんか聞いたことあるなこのフレーズ。
空になった容器をゴミ箱へ投げ捨て
歯を磨いて 俺は部屋に………
『俺の部屋においで』
………………………あ。
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