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『憂鬱な朝』
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日曜日。今日はなんも予定がない。
いつもは嬉しい休日なのに
俺の体はとても堅く重い。
「勘違いじゃ、ないよな」
まるで錘のような足をやっとで
動かし自室を出た。
「はよ…」
「……雨が早起き。おはよう。」
リビングでは式と刹が朝食をとっていた。
「緋色は?」
「今日は打ち合わせだからって
早くに出かけたよ。 」
刹は綺麗に食べ終えた食器をさげ
俺に取り出した補血剤を差し出してよこした。
「なんだか顔色が良くない。
飲んだ方がいい。」
「うん。」
「……」
あれ。なんで俺抱き締められてんの?
てかいつの間に背後に…
「なに?どした、式?」
「それは俺のセリフ。
雨がおかしい。」
「まぁおかしいのはいつもだけど、元気がないね。」
「うっさいよ刹くん。」
急にくるりと
向きを反転させられ
式の整ったお顔の式と御対面。
あーもうイケメンめ。
「緋色?」
ぴくりと動いた俺を二人が見逃す訳がなかった。
「んー。なんかほら、昨日のこと、怒ってなかったんかなって思っただけ。」
「……いつもと変わらなかったから
怒ってないと思うよ。」
「そっか。…よかった。
じゃぁお腹空いたからたべよっかな。」
刹に対してでないとしたら
やっぱり俺に怒っている。
雪都さんと会ったから…だよなやっぱ。
「雨の勘違いだよ。きっと。」
刹は俺の頭をぽんっと叩き
俺の分の朝食を用意してくれた。
「そんなに不安なら今日帰ってきたら一緒に聞いてみよう?
まずはこれ食べて。で、それ飲んで。」
「うえー」
またぽんっと頭を叩かれ
静かに笑われた。
多分刹には
俺の考えが筒抜けなんだよね。
「…二人の隠し事。
狡い。」
すねたようにソファにだらりと
横になる式には
ちょっと申し訳ないけど…。
「お?全員揃ってるやんか。」
…………うわ、面倒な人がいた。
「あれ?今日はバイトは?」
うっさんくさい笑顔の白葉に
ピュアな刹くんが近寄った。
危ないよせつくん。無闇に近付いたら妊娠しちゃう。
「今日は休み。そや、今日みんな暇やろ?ちょお付き合うて?」
映画鑑賞に
と飛びきりの笑顔で言う彼が手にしているあのDVDは……
「ホラー……」
……白葉さん。夏はまだですよ。
でもまぁ、空気の読めないこの男が
今は有りがたかったりもする。
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