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『どうすれば』
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わかりきっていることだ。
雨が誰を選ぶかなど。
「雨。・・・・貴方の意見を聞きたい。
これから、どうしたいですか?」
恐らく答えがわかっている分聞きたくないのだろう。
決心はしていても・・・雪都の心が揺らぐのがわかる。
「・・・・・・・・・・雪都さん、俺
緋色の元で暮らしたいです」
一拍おいて、
それから雪都は優しく微笑んだ。
「…わかりました。
元々雨を安全なところへと思っていました。自ら選んだ場所ならば、そこが貴方にとっての一番の安全な場所です。」
本当はとても辛いのだろう。
相手が緋色でなければ、
そう思わずにはいられないのだろう。
彼の元が安全だなんて心から思っている訳ではない。
それでも託すのは
雨を信じているからこそだ。
信じているから・・・雨の信じる緋色のことも信じてみようと思ったのだ。
「もう私は何も言いません。
雨、
忘れてはいけませんよ…私は貴方の家族です。寂しくなったらいつでも帰ってきなさい。」
雨は静かに頷いて
そして呟いた。
_____雪都さんごめんなさい
ありがとう___
____________________________________
「…ん?」
「なに?」
「それってあれか?お前が雪都が嫌いやから雨を奪ってやったんやーって話ではないよな?」
「まさか。たまたま惚れた相手が
雪都の繋がりだっただけだよ。」
「惚れたって…ようそんなこと言えるわ。」
呆れる白葉を外目に
緋色は大きくため息をつく。
「これだけ話しても伝わらないなんてね…相当の脳足らずもいいところだね。」
「途中面倒やってん。聞いてなかったわ。」
再度取り出したタバコに白葉は火をつけた。
「でもね…それだけでよかったのに
ダメなんだ。
雨が近くにいればいるほど
知れば知るほど俺は雨にはまる。
それと同時にどうしようもない独占欲にかられる…。足りないんだ…
笑うと可愛くてもっともっとって思うし
泣けば泣いたで誰にも見せたくない。」
「そうなればそうなっただけ
お前は雨をコントロールする…か?」
マインドコントロールとはよくいったものだ。
緋色の能力はおそらく
其れに近い。
「ここにいるみんなにすらそんな感情を持つ俺は…どうしたらいい…」
それは初めて打ち明けた
緋色の中の大きな悩みでもあった…。
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