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『せつ』
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コンコン・・・・
部屋の主が心配できたはいいが
返事がない。
「入るよー・・・」
一応断りをいれてから入れば
まっ暗闇に1人求めた影がある。
「どこ・・・・?せっくん。」
刹の様子がどうも気がかりで来たわいいが。
肝心の主からは未だに返事が、こず。姿も見つけられず。
「刹ってば寝てないっしょ。」
ようやく見つけたベットの上にいるそれに声をかける。
「・・・・・うるさい。寝せて。」
いつもよりワントーン低い声は
刹の心が沈んでいることを示す。
「何があったの。」
「うるさいってば犯すよ。」
んまー・・・・とても苛立っている様子。
やっともぞりと動いた刹はベッドにうつむせになってたようで。
枕から横目で除く赤い瞳がこちらを睨んでいるようにドアから差し込む廊下の光で反射して見えた。
「今日はいいや。また後で来るね。」
こんな時の刹とは話が出来ないのを知ってるので
俺は再び戻ろうと体を反転させたが
歩き出せなかったのは
それを静止するように俺の腕が掴まれたからだった。
「・・・・・君のことが・・・・・わからない。
みんなも何かを隠してる。
俺は、何も・・・・・知らない。」
小さな声で聞こえたそれは
俺の耳にしっかりと届いた。
刹はきっと
感じ取ったのだ。
変わり始めるこの家の空気に。
みんなの関係に・・・・・。
「刹。ちゃんと俺が思い出したことは
話すよ。」
刹はいつだって
俺のことを思ってくれてるから。
隠し事はしたくないから。
俺はそれまで思い出した記憶を全て
刹に話した。
話したことを後悔したのは
その翌日起きてこない刹を
起こしにきた時だった。
そのまま変わらない部屋なのに
主を失ったその部屋は
嫌な静寂に包まれていた-。
その日刹は --姿を消した。
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