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好きより重い2
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海と付き合い始めて一週間がたった。俺たちはというと特に代わり映えのない日々を送っていた。俺は、それに内心安心していた。海を失うぐらいならなんだってするとか言ってたくせに、最低だな俺。今まで通りの親友の関係、一緒に話して笑いあってたまにお互いの家に遊びに行く。ゲームをしたり、特に何もしなかったり。
「デートしようよ」
今まで、そんな話題を出さなかった海が急に言うので驚いた。デート、付き合ってるんだから当然か。
「いいよ」
あっさりOKしたら、海が「本当!?」と言いながら笑顔で大喜びした。そんなに嬉しいのか。休日に二人で遊ぶなんてよくあることだけどな。
「どこに行こうかな〜」
浮ついた声で言った後、鼻歌をしながらスマホをいじっている。何か調べてるんだろう。俺も何かした方がいいのかな。デート、デート、久しくデートなんてしていないので考えこむ。遊園地とか水族館?でも海と行くならそんなデートっぽい場所じゃなくてもいいよな。
「こことかどう?」
海がスマホをこちらに向けてきたので、スマホの画面に目線をうつす。そこには、(カップル限定特集! カップル限定の甘いスイーツをメニューに追加、恋人と堪能しちゃおう!)と書かれていた。
「このスイーツ美味しそうじゃない?」
「思いっきりカップル限定じゃねぇか」
「えっ駄目なの?」
キョトンとした表情で海が言う。何が駄目か分からないって顔だ。これは俺がどうこうって問題じゃない。
「男同士だと駄目かもだろ」
「あっそっか‥‥」
現代では受け入れられつつあるだろうが、完全に受け入れられている訳ではない。
「海は家族に言ったのか?俺たちのこと」
ふと思ったので聞いてみると、海は黙り込んだ。まあそうだろうな。そこら辺の人間に自分は同性愛者ですと言うのと家族に言うのとでは重さが違う。他人なら受け入れられるが、家族が同性愛者だとなると途端に受け入れられない奴ばかりだ。特に親は受け入れにくいだろう。孫の姿が見れない訳だし。ちなみに俺は家族に興味がないので、誰が同性愛者であろうがどうでもいい。
「言ったほうが良いかな?」
「どっちでも良いんじゃね?俺は言ってない」
家族に言おうとか考えてもみなかった。でも海の家族なら受け入れてくれるかもな、優しいし。別に俺の家族が酷い訳じゃないけど。
「デート、どこに行こうか」
仕切り直しとばかりに海が聞いてきた。
「どこでもいいよ、海となら」
「僕もそうかも」
海が笑顔で言った。
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