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出会い2
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両親の生前は、甘えん坊で奔放な所があった優夜も、家事などをこなすようになり、姉に負担をかけないようにしていた。
しかし優夜が中学3年になり、受験生として忙しくなる時期に、未夜の身体は病魔に蝕まれていった。
生活費や優夜の学費を稼ぐために、必死に働いていた姉は、ぎりぎりのところで診断を受けたので、既に末期の状態に入っていたのだ。
看護婦であった彼女は、自分の身体の状態を把握せざるをえなかった。
生きている間に、弟のために色々な事を整理しておかなければという焦りと何もしてやれないという悔しさ、恐怖、絶望などたくさんの葛藤を抱えながらも人前でそれを出すことはなかった。
しかし優夜は知っていた。
一人で涙を流して
「どうしてこんな身体になっちゃったの?」
と、自分を責めていたことを、。
そんな姉の本心を目の当たりにした彼は
「そうだ。お姉ちゃんは死んだりしない。強いんだから病気なんてきっとやっつけられる。奇跡はきっと起きるんだ。」
と言い聞かせ、姉の前では泣くのはやめようと明るく振る舞っていた。
「ところで私退院できることになったのよ。」
「えっ!本当に?」
姉の言葉で、優夜の瞳に光が射した。
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