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新しい家族
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未夜や博人と過ごすようになって、家に誰かがいてくれる事の安心感と居心地のよさがこんなにも大きいものなんだと優夜は実感した。
誰もいなかった頃には散らかり放題だった部屋もきちんと片付けられていく。
未夜も身体が許す限り出来るだけ家事をしてくれた。
もともと看護士として忙しかった姉の代わりに優夜もある程度、家事をこなしていたのだ。
おかげで料理もいくらか出来るようになっていた。
「優夜もずいぶんきちんとしてきたわね。以前は何かに夢中になるとやるべき事そっちのけで中途半端になることが多かったのに」
「そんなの昔の話だろ?俺だってやるときはやるんだから」
未夜がいうと優夜がふくれて言い返す。
確かにしっかり者で何事もきちんとこなす姉に対し、優夜は好きな事に熱中すると、やるべき事がおろそかになりがちな所があった。
母にも、きちんと片付けなさい、やることをちゃんとやってから好きな事をしなさい、と、よく叱られたのを思い出す。
姉と歳の離れた末っ子で甘えていたところもあったんだと思った。
「今の優夜なら安心できるわ。私はいつまで一緒にいられるか分からないし……」
未夜が寂しそうな表情をする。
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