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涙で濡れた誕生日18
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昨日のケーキ作りのいきさつを説明した。
「そうなの?恵ちゃんにもお礼言わないといけないわね。
あの子、昔からお菓子作りが好きだったのよね」
ケーキを眺めながら未夜が言った。
「これは優夜からです。見てあげて下さい」
栞から修正してもらったフォトブックを未夜に渡す。
未夜は一つ一つページをめくりじっくりと見ていった。
ところ構わず写真撮影をするのが好きな優夜らしさが表現されていた。
日常生活のささいな出来事や博人と三人でドライブしたときの写真、優夜の書いたさまざまなイラストやコメントなど描かれている。
最後のページには優夜の描いた蝋燭が24本立っているケーキのイラストが飛び出し式になっており、メッセージが記入されていた。
『HAPPY BIRTHDAY
お姉ちゃんもまたひとつおばさんになったね。
もっと長生きしろよ。
俺、お姉ちゃんがいないとまだ何も出来ないからさ。
あと苦しいときは我慢するなよ。 涙を流した分、心が浄化されるんだって。
そしたらまた前に進めばいいって言ってたよ。
奇跡はきっと起きるって信じようよ』
未夜の瞳から涙が流れる。
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