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「ジェボミ、ホラー、大丈夫?」
ホラーかよって、内心思ったけど。嫌いって訳でもない。
「おまえ、こんなの見ながら寝るから、怖い夢見たんだろ」
「ああ、そうかもね」
そう言って笑う。
ソファで隣同士に座って、映画を見始める。
お互いに息をのんで、ハッと体を震わせる。
マクが見たいっていうから、もっとアクションだとか、ホラーだとしてもスプラッター系かと思ったら。思いっきり怖い韓国の幽霊の話だし。
ホラーだって見る方だけどさ。これまじで怖いんだけど。
「ひっ」
俺が体をビクッとさせたのと同時に、マクが小さく叫び声をあげた。
「ちょ、マジで怖くない?」
俺がそう言うと、マクは真顔で頷いた。
気がついたら、お互いにクッションを抱えて、体を寄せて座ってた。
隣に体温を感じるだけで、かなり心強い。
結局、最後の最後まで、畳み掛けるように恐怖が迫ってきて、心臓はバクバクいいっぱなしで、お互いに同じタイミングで飛び上がって、騒ぎながら見た。
「あーっ、やっぱ怖かった、てか、これ昨日一人で見なくてよかったーっ」
そう言ってけらけら笑う。
「部屋まで暗くして見る気満々だったじゃん」
「あのまま宿舎にひとりで見てたら怖すぎたっ」
「でも、怖いけど面白かったな」
「だよね、ジェボミと一緒に見てよかった」
「ああ、一緒に見てよかったよ」
俺が頷きながらそう言ったら、急にマクが黙り込んだから。不思議に思って、顔を上げた。
「ん?」
ぼーっと、俺のことを見てる。
「なんだよ?」
「ん?」
なんにも言わない。ふいに怖くなって、後ろ振り返ってキョロキョロしたしっ。
俺の後ろになんか見えんのかと思って。
そんな俺の様子を見て、マクは可笑しそうに笑う。
「だからなんなんだよっ」
「ううん、なんでもない」
マクは、ただ微笑んで首を振っただけだった。
馬鹿にしてるとかじゃないけど、よく分からない反応で。ムズムズするし。
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