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「マク、俺、どうしたら」
「ジェボミ、ほんとにどうしたの? なんかあった?」
「そんなんじゃない……ずっと考えてる事があって、しんどくて。答え出なくて、それで、マクから離れた方がいいって思って」
「なんでそうなるの? やっぱり俺のせい?」
「ちがう、おまえに迷惑かけたくなくて」
「迷惑って……どういう事?」
言葉に詰まる。
どう言えばいいのか、分からなかった。
言える訳ない。
おまえのことを、好きかもしれない、なんて。
そんなこと聞かされたら、困るだろ。
それに、確信もないままに、そんなこと言える訳ない。
「ジェボミ、ねえ。俺に話してよ」
「話したくない」
「なんで? 俺じゃなかったら、言えるの?」
それにも、ただ首を振った。
こんなこと、誰にも相談できる訳ない。
酔いはどんどん回って、俺から思考力を奪う。それでも、これは言えないって分かる。
沈黙。
マクは、グラスにワインを注いで、勢いよく飲んでる。
「マク、ペース速い」
「うるさい」
怒ったような口調で言うくせに。
俺が握った手はそのままで。
なんで、そうしていてくれるのか分からないけど、その気持ちがありがたい。
その友情を、俺はぶち壊そうとしてるんだ。
だけどこうやって側にいると、ぼろぼろと、壁が脆くなる。
気持ちが膨らんで、無視できなくなってくる。
急に怖くなって、掴んでいた手を離した。
そんな俺を、マクはじっと見てる。
「マク、」
「話す気になった?」
「絶対後悔する」
「何を?」
「俺、おまえに嫌われたくない」
「ほんと、なに言ってんの? 今さら嫌いとか、ないし。それより、俺のこと避けたり変な態度取ってる時には、そういうこと考えない訳?」
マクは、片方の眉を上げて、呆れたように言う。
その唇から、目が離せなくて。
自分の気持ちが知りたくなって。
胸がドキドキと、高鳴ってる。
「マク、おれ、もう無理かも」
それは、ほんとに本音だった。
「だからなんなの? ハッキリしなよ」
「言えない」
「だからあ、なんなのーっ」
マクは、なにがおかしいのか、けらけら笑う。
「笑ってんじゃねーよ」
「だって、意味わかんなさすぎて面白いもん、それに、俺に嫌われたくないとか。そんなこと言われたら、ちょっと可愛いと思っちゃった」
「は? なんで」
「ジェボミ、酔ってるね。そんな可愛いこと言ってると、後で後悔しない?」
そう言って、笑ってる。
そんな顔して笑いかけるなよ。
後悔、する。
絶対に。
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