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それから、カムバの準備と並行して部屋を片付けて、荷物を詰めて、引っ越しの段取りをして。
めまぐるしくて。
だから、だからさ。
忙しかったから、しょうがなかったんだ。
俺だけじゃなくて、みんな、忙しかった。
だろ?
「ああ、ほんとにヒョン明日出て行くの?」
「ああ、もう荷物も半分無いし」
「ほんと、ガラんとしたね……でもまだいいんじゃない? 好きなだけいてもいいでしょ?」
部屋で荷物を片付けてたら、ユギョムが顔を覗かせた。
「いや、活動までに部屋片付けたいし」
「ああ、そっか、そうだよね」
俺が居なくなるのがそんなに寂しいのかって、なんだか嬉しくなる。
「ヒョン、いつでも来てね?」
「うん、てか、すぐ活動だし、毎日会うだろ」
「まあ、そうだけど……寂しくなったら、いつでも行ってあげるからね?」
「はは。来なくていーし」
「えっ? どうして? 行きたい」
「呼ばねーし」
「えー、なんでーっ? え、どこ行くの?」
「だいたい終わったし、喉乾いた」
「ジェボミヒョンの家絶対行きたいっ」
「ああ、そのうちな」
「絶対だよ?」
「ああ、いつかな」
ユギョムのそばをすり抜けて、部屋を出た。
キッチンで手を洗って、冷蔵庫で冷たい飲み物を探す。
いよいよ、明日、俺はこの宿舎を出る。
コーラの缶を持って、リビングのソファに座る。
実際、新しい家も気に入ったし、すでに先に出て暮らしてるメンバーたちも居るし。あいつらに出来るんだから俺にだって出来るだろうって。
生活に不安があるとか、そういうこともなくて。
新鮮なスタートだと思えば、ワクワクして、心躍る。猫たちにとっても、家中自由に出来る方がいいだろうし。
ただ、気掛かりなことが、ないと言えば嘘になる。
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