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ようやくまともに頭が働き出して。何をしてしまったんだって、突然焦り出す。
なにもかもが想定外に転んで、おかしな方向に加速がついて行った。
グルチャであんなにも既読も返信も遅いマクがすぐに返信して来るなんて予想してなかったし、そんなにフットワークが軽いなんて知らなかった。
俺が血迷ったことを言っても、また今度とか言って流されて、そのまま無かったことになるはずじゃないのか。
結局、ただソワソワと家の中を歩き回ってどのくらいの時間が経ったのか。
ついにその時がやって来た。
「ほんとに、来たんだ」
寝落ちしたとか言って来ない、なんて想像もしたけれど、結局それも打ち破られた。
「来るでしょ」
ドアを開くとほんとにマクが立ってて。頭に浮かんだ事が思わず口から出た。
「はい、おみやげー」
「あ、ありがと」
「入っていいの?」
「あ、うん。入って」
マクは冷えたワインのボトルを俺に押し付けると、靴を脱ぐ。
「家にあったのだけどね、飲めるよね? ちょーどあってよかった」
「うん、うん」
「あっ、ノラあ、分かる? 俺」
マクは立ち尽くす俺のそばをすり抜けて、猫たちに近寄って行く。
俺より猫か。
そんな事が頭に浮かんで。
ブルっと震えた。何考えてんだ。
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