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「Netflixにあるよな」
「うん、あるはず」
ワインを飲みながら、他愛もない話をした。共通の趣味は少ないけれど、仲が悪いわけでもないし、2人でいるのが気まずい訳でもない。
だけど、こんなにも長く一緒にいるのに、普段ふたりだけでいる事は少ないからか、意外と最近のお互いのことを知らなくて。話してると、普通に新鮮な発見があって、楽しかったりもする。
「いつでも見られるのに、見なかったんだね」
リモコンを操作しながら、マクがクスクス笑う。
「まあ、忙しかったし」
「だね。ジェボミの好き系じゃないしね」
「そんなことないけど、普通に続き気になってたし」
「そ?」
ほんとは、Netflixを開くたびにオススメに出てきて、ずっと気になっていた。
「だって。一緒に見るって、約束しただろ」
「ああ……うん、したね」
「だから」
「だから呼んでくれたんだ」
「うん」
会話の流れで、なんとなく素直に頷いた。
隣でマクが小さく吹き出した。
「なに?」
「俺、Netflix見るために呼ばれたの?」
「え? うん、かな」
くつくつと笑いながら言うから、不思議に思いながらも返事を返した。
明日は休みだし。家に来たいって言ってたから誘って。みんなに声を掛けたけどマクだけが来た。
みたいな、取り繕ったはずの筋書きの事は、もう完全に忘れていた。
「なに笑ってんの?」
「いや、知ってる? アメリカでさ、Netflix見に来ない? は、ラーメン食べていく? と同じ意味なんだよ」
「ハッ!?」
その瞬間、ドキンッとおもいっきり心臓が飛び跳ねた。
「ジェボミいー。俺のことまさか……」
「んなわけないだろっ」
「ちょ、そんな怒んなくていいじゃん、冗談だよ」
分かってる、過剰反応してるって。
でも、でも俺の気も知らないでさ。
「ちょっと、落ち着いてよジェボミ。飲み過ぎじゃない?」
そう言って、まだケラケラ笑ってる。
確かに。飲みすぎたかも。
「うっせえ」
「ほら、始まるよ、見よーよ」
何故だか、マクに背中をさすられてなだめられて、なんだよこの状況。
「あー、楽し」
隣でまだ肩を震わせながら、小さく呟く声が聞こえた。
楽しいなら、よかった。けどさ。
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