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「ん?」
じっと見てたら、不思議そうに首を傾げる。
ずっと仲良くしてきた兄弟みたいに近い関係なのに。こんな風に感じるなんて、絶対に変だ。
変だと思うから、消したくて忘れたくて、距離を置いて来たのに。
「マク」
「ん?」
「あのさ、あの、」
「うん?」
ドッドッドッて、鼓動で体が震えそうなくらい強くて、苦しい。
バレないように隠そうと思ってたのに、マクを困らせたくはないのに。
なのに
「え、ちょ、ジェボミ。どうしたの?」
吸い寄せられるように体を近づける。目を丸くして固まってるマク。
「ちょ、待ってジェボミ、酔ってるよね」
「うん」
鼻が触れそうな距離で、マクに手のひらで胸を押し返された。
「ジェボミ、何してるか分かってる? ダメだよ」
「うん、ごめん」
「じゃなくて、謝って欲しいんじゃなくて。酔ってるでしょ」
「うん」
マクは怒ってる訳じゃなくて、ただ俺を説得したいみたいに、言う。
「マク、聞いて」
「やだ、聞きたくない」
まるで俺の言いたい事が分かってるみたいに、唇を噛み締めて言う。
ただ気持ちを告げたいなんて、自分勝手だって分かってる。だけど、言う前に拒否されて終わるなんて、そんなの辛い。辛くて。
「聞いて」
「ダメ、言わないで」
「だって……マク、俺、辛い」
「えっ……辛いの?」
「辛い、辛くて、しんどくて、ごめん、迷惑かけて」
「や、だから謝るのは違うから、だから、だけど、とにかく、だめだよ」
ああ、本格的に酔いが回って来たせいか、マクの言ってる事も理解できなくなって来た。
「ジェボミ酔ってるよね。俺も酔ってる。だから、今は辞めよ」
今は。
その言葉が希望みたいに、きらっと光る。
「今は?」
「うん、分かる? 酔ってない時に話したい」
「うん。分かった」
否定的な言葉ばっかり聞いていたから、話す事全部否定された訳じゃないって分かって。ちょっと浮上する。
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