アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
36
-
「ちょ、ジェボミ、聞いてた?」
「ん」
「なんなのもう、酔っ払い。待って待って」
「マク、キスしたい」
「え、ちょ。絶対明日後悔するよ、しっかりしなよ」
「後悔なんて、しない」
体が吸い寄せられて行く。マクが仰け反って俺から離れようとしてるけど、体が勝手に動く。
「ちょっと、ほんとジェボミしっかりして。お願い」
困った顔でお願い、なんて言われて。それでもぐいぐい力を込める事なんて出来なくて。なんとか静止する。
「ちゃんと考えて。ジェボミは俺とどうしたいの? 酔った時にキスするみたいな、そういうのに、なりたいの? 俺、そんなのヤダ。きっと、これから先、変な感じになる。そんなの絶対やだから」
マクが言うことが、ようやく理解できた。
今マクの気持ちを考えずにキスしたら、この先ギクシャクした関係になって。そうやって、どんどん離れて行くんだ。そんなのだけは、嫌だ。
そもそも、キスしたいのも恋心を抱いているのも俺だけなのに、ぶん殴られたってしょうがない状況なのに。それでも俺を諭すように話し続けるマクに申し訳なくなって来る。
「ごめん」
「うん、分かった?」
「うん。俺、そんなふうになるのは嫌だ……でも」
「話は酔いが覚めてから」
マクは真剣な顔で、俺の口を手のひらで塞いだ。
「わかった?」
俺は黙って何度も頷いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
36 / 52