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「マク」
「ん?」
「俺。お前のことが、好きなんだ。いつからか分からないけど。説明とか出来ないけど。とにかく、お前のことが、好きみたい」
「あ……ありがと」
マクはぽかんとしたまま、そう答えた。
じゃなくて。
ありがとうって、何だよ。
表情だって、ボーッとしたままで、顔しかめたり、嫌そうにしたりもしない。かといって、嬉しそうになんて、もちろんしてない。
「あの……ごめん、困らせて」
「あ、うん……大丈夫。話って、それ?」
「うん、そう……マク?」
「ちょっと顔洗ってくる」
「あ、うん」
マクは突然立ち上がると、近くにあった自分の鞄をガサゴソとしてから、リビングを出て行った。
ひとりリビングに残されて、急に不安になる。え、この状況なに?
洗面所から小さく聞こえてくる水音。
それを聞いて、ただ待ってはいられなくて。
俺が勝手にぶちまけたんだから、それであいつになにかを答えてもらおうとしてるのが間違いだって、わかるんだけど。なんだけどさ。
でもせめて、嫌だと思ったとかどうとか、結果は見えていたとしても、拒否なら一度はっきり拒否してほしくて。
じゃないと、この先どうしていいのか分からなくて。
気がついたら勝手に体が洗面所に瞬間移動してた。
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