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「マク、話終わってない」
リビングに戻って、向かい合う。
「何を話すの? だって、スッキリしたんでしょ。自分の気持ち言って。それでいいじゃん。終わりでしょ。俺に何も求めないくせに、なんで俺が拒否しなきゃいけないの? 俺にどうしろって言うの?」
「え」
いよいよ、混乱してくる。
マクはすごい怒ってる。だけど、なんか、ポイントがズレてる気がして。
「どういう」
「俺は言わない。絶対に言わない。そんな事したら相手が困るって思うから。ぜったい」
「え」
それは、マクにも好きな奴がいるってこと? 言えば困るような相手。
だから、不甲斐ない俺にこんなにも怒ってるのか。
急に腑に落ちて、ずんと心が重くなる。
拒否しないって言ったけど、遠回しに振られてんじゃん。
「お前のせいで、気分最悪」
マクはそうブツブツと呟くと、どさっとソファに腰を下ろした。
「眠いし、起こされたし」
「ごめ、」
また謝ろうとしたら、見上げてキッと睨まれる。
なんだよ、どうしろって言うんだよ。もう言っちゃったし取り消せないし、フラれたし、傷ついたのは俺の方なのに。
もうどうしようもなくて、俺はその場に座り込んだ。
「あからさまに弱るのやめてよ、ウザイ」
「んだよ」
キツすぎるだろ。てか、こんなキツい奴だった?
「その程度の覚悟で口にしないでよ、リーダーでしょ」
その程度って。
「恋に、リーダーとか、関係……ないし」
「あるでしょ、相手がメンバーなら」
「そうだけど」
俺だって、我慢したし。その結果だし。
「ジェボミは中途半端だしずるい」
「なにがだよ」
「迷惑」
「だから、ごめん、」
「ちがうよ! 全部ちがうのっ、間違ってんの」
「なんだよ、具体的に言えよ意味わかんねえ」
思わず声を荒げたら、すげー怖い顔で睨まれた。
「怒るの? ジェボミが?」
「そっ、うじゃないけどさっ、」
前から飛んでくる言葉が全部ナイフみたいにグサグサと心を突き刺して。
もうなんも考えられない。
俺死んだ。
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