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頭が回らなくて固まっていると、マクがジリジリと距離を詰めて来ているのに、気が付いた。
「え、なにすんの」
「沈黙は、同意じゃないの?」
「ちょ、待って。キスって、俺としたいの?」
「はっ? そこ?」
そう言うと、目を丸くする。
だって、だってさ。
「だって、誰かのこと好きなんだろ。ならそいつと」
「黙って」
「ん、」
突然、口を塞がれた。口で。
もちろん、黙るしかない。
体を寄せて唇をぶつけられて。驚いた次の瞬間には、もう、キスは深まってた。
したいって言ったのは、ほんとだったみたいだ。俺は頭が混乱して真っ白で。まるで翻弄されるみたいに、受け入れるしかなかった。
「ジェボミ……俺もしたかったんだよ。分かる?」
「分かんねー」
鼻先が触れる距離。話すと、唇がときどき触れる。
「なんで分かんないの? バカじゃない」
「マジで分かんねえ、俺バカなのかも」
「だね」
そう言うと、くすりと笑って、また唇を合わせて来る。
余裕で笑ってんじゃねーよ。
そう思って悔しいのに。
まるで俺を求めるみたいに体をくっつけて来るから。訳もわからない愛しさがブワッと湧いて来て。両腕をその体に回して、ぎゅっと力を込めて抱き締めた。
その瞬間、マクが驚いたように顔を離して俺の顔を見る。
「ん?」
「ううん、なんでもない」
「なあ、マク。俺、お前のこと好きなんだ」
「ん……さっきも聞いた」
その先の言葉を待っても、何の答えも得られそうにない。あんなに散々罵ったくせに、なんで俺なんかとキスしたいんだよ。
そう考えたら、今のこの状況は奇跡で、この先一生抱きしめることも出来ないんじゃないかって、思った。
そう思ったら、ふいに寂しくなって。
体の隙間を埋めるように力を込めてマクを抱きしめる。
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