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《那月》
あれから、二か月。
誰も居ない教室で一人掃除してると、指先がかじかむ。
12月になってから急に寒くなったなぁ。
宿題や掃除や当番や日直は僕の仕事として、もう頼むとも言われなくなった。
先生もそれ気付いてるはずなのに、当然の事となっていた。
うっかりしてて、やってなかったら殴られた。
「泥棒の仕事だろっ!!」
「お情けでクラスに置いてやってるんだ!
そんくらいわかれよっ!!」
うん…うっかりしてた僕が悪い。
殴られて腫れた頰で、ごめんなさいを言ったが許してもらえず、土下座させられて蹴られて、ようやく許された。
雑用する事は僕は便利屋だから、そんな事ちっとも構わないけど。
困ったのは、受験が近くなってみんなイライラしてる事。
当然、僕への風当たりも意地悪も強くなって。
でも……仕方ないね。
……僕は、守谷さんに会いにスーパーに行くのに、ある条件を課した。
だって毎日毎日じゃあ迷惑だし、冷静に見たらストーカー化してるし!
10。
10、嫌な事があったら、守谷さんに会いにスーパーに行ってもいい、って。
些か甘いけど…… 偶然会ったのは、ノーカウントで!
なし崩しに破ってしまった約束とは違って、今度こそ守る。
もちろん、会いたいって思って行って会えるとは限らないけど。
それからは、嫌な事あっても一つカウントされた、って思えるようになった!
10溜まって、会いに行く時はドキドキした。
まるで、会える、会えないの占いの結果が出るみたいで。
不思議だなぁ。
守谷さんに会うと嫌な事忘れられる。
守谷さん……って僕にとって何なんだろう?
守谷さんの事考えると、嬉しい。
会いたくて会いたくて、堪らなくなる。
ほんとに、何なんだろう………??
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