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32 《一時》
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《一時》
「そうですよね!
もしかして自転車にぶつかって、自転車の人が怪我するかもしれないし、車だって僕を轢いた後、電信柱にぶつかるかもしれないし!」
那月は納得してる。
……いや、待て!!
俺としたら、飛び出して轢かれかけてごめんなさい、もう飛び出しません、と言う当たり前な返事が欲しかっただけなんだが…??
「でも書類……困ったな……。」
那月は那月で悩んでるし!
「あのな、那月?」
「はい?」
「書類はどうでもいいんだ。
いや、良くはないが…それは置いといて!
小学校で習わなかったか?
道路に飛び出しません、って?
自分の命に関わるって?!」
「あ……ごめんなさい!」
ハッと気付いて、那月はひたすら謝って恐縮してる。
なんだかなぁ。
うっかりなんだか、自分はスーパーマンだって思ってるんだか……。
「わかればいいよ?
まぁあの書類は、世間に流れても良いものだしPCにデータも保存してあるし。」
「そ…なんですか?」
書類が車に轢かれて、泥まみれになってるのを哀しそうに見つめる。
その……
しょんぼりした顔見てると、なんか俺の方が悪い事したみたいだ。
「………ごめんなさい……。
本当に、ごめんなさい。」
お辞儀し倒して、帰って行く姿見送る。
うぅ……。
よし!決めた!
「那月!」
追い駆けて、那月の目の前に立つ
「……え」
振り返った顔は、涙が今にも溢れそうで。
「今日、これから暇か?」
「……テストは最終日だったから……暇….です。」
必死に瞬きして、涙乾かしてる。
「実は、俺もこの後する事ねーんだわ。
書類集めてくれた御礼だ。
どっか行こう!」
「は……??」
那月が目をまん丸にした。
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