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58 《一時》
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《一時》
一口食べて、びっくりしたような顔。
一口食べて、感動。
さらに一口食べて、俯いて?
もう一口食べて……
「……ふはっ……。」
那月は、黙って食べてるけどその表情が全てを語ってるんだよな。
「……守谷さん…?」
「あ、悪い悪い。旨いか?」
「はい!とってもおいしいです!」
「そうか。
食べられるだけで良いからな?」
「はい!」
食事が終わって片付けて帰って来ると、那月は緊張したようにソワソワし出した。
「守谷さん…ありがとうございました。
僕、家に帰ります。」
「いいのか?」
「はい。
昨日一晩だけ帰るな、って言われただけですから大丈夫です。」
「?????」
意味がわからん!!
………まぁ……
本人が大丈夫というのだから、大丈夫…….?
でも、あいつの大丈夫は当てにならないし……。
「……本当に大丈夫なんだな?」
「はい。
ありがとうございました!」
「俺の所は良いんだぞ?」
「…いえ。一旦帰ります。」
「帰っても無理するなよ?
熱が上がったら、医者に行け。」
「はい。」
うーー……心配だ。
「俺の電話番号だ。
もし何かあったら電話しろ。」
「え」
電話番号を手にして困ったような顔?
「……あの……」
「何だ?」
「あの…!
知り合いでも、電話番号交換する事はありますか?」
知り合い?
そう言えば昨日の夜も言ってたな?
まぁ何にせよ、知り合いでも連絡先交換くらいするだろ。
「ああ、する、する。
ついでに、おまえの電話も教えてくれ。」
スマホを取り出した。
「そ…ですか!
ありがとうございます!!」
言われた電話番号は、家電の番号。
「じゃあ本当にありがとうございました。」
「待て待て。
送って行く。」
「え」
困ったようにクマを手にして立ち尽くしてる。
「途中で倒れられたら困るからな?
待ってろ、すぐ用意する。」
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