アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
62 《転校生》
-
《転校生》
12月ももう終わる。
2学期の成績が、思うように伸びてなかったせいで、妙に苛つく。
君はそんな者じゃないだろう、と言う教師の言葉も、
そんな事じゃ受からないぞ、と言う父親の焦りも、
腫れ物に触るように扱う母親も、
何もかもがウザい!!
うるさい!!
あーーー!!!イライラする!!
塾の帰り、鬱々としてたらめんどくさい奴に会った。
クラスのボスだ。
同じように成績下がった奴も、イライラしてる。
ボスと言っても要するに乱暴なだけだが、クラスで上手くやる為には邪険に出来ないし……
ウンザリする。
「あーー!!やってらんねーよなっ!!」
「ほんとにな。」
「こういう時は、泥棒虐めて憂さ晴らししよーと思っても、学校休みだし!
ついてねーよな?」
「全くだ。」
口先ではそう言ったけど、
おまえはどうせ3流校受けられないけど、こっちは有名私立受けるんだ。
おまえと一緒にして欲しくはない。
「おい?!
噂をすれば……!!」
泥棒だ。
俯いて足早に歩いてる。
買い物の帰りらしい。
「ヤリィ!!
そうだ!兄貴も呼んで、滅茶苦茶にしてやろうぜ!」
「兄貴って?」
「先輩。
高校辞めてブラブラしてる。
時々バイクに乗せてもらうんだ。」
あーわかった。
数年後のおまえだ。
「いいだろ?」
ま、いいか。
泥棒は何したって親が出てくる事はないし。
ヤバくなったら、逃げたらいいし。
なにより、イライラ解消には持ってこいだしな。
「おい!待てよ!」
泥棒はボスの言葉に、ビクッとして立ち止まった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
62 / 278