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80 《一時》
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《一時》
7時。
那月は来ない!
何やってんだ、あいつ!
スーパーの前に立って一時間くらい待っていたが……見ろ!店員が不思議がってる!
だんだん心配になって来た。
そこら辺見て回ろうか?
「あれぇ、いちじ先輩?
どしたんですかー?」
能天気な声が聞こえた。
後輩だ。
あーー……
面倒くさい奴に会っちまった。
大江晴。
職場だけだけで充分だ、って言うのに!
「プライベートだ、じゃあな。」
「そんなー!」
「ここは俺のテリトリーだ。
他に行け。他に!」
「んな獣みたいに厄介払いせんでも。
よく知らない駅に呼び出されて、挙句に振られたんですよー。
ちょっとは付き合って下さいって。」
振られた、と聞いてチクッと胸に刺さった。
那月にすっぽかされたんだろうか?
………気を取り直して
「却下。帰れ。」
「んな事言っても駅の場所わからないんですってー。」
「はっ?」
「だもんで、付き合って下さい!
呑みましょー!」
ここら辺は確かに入り組んでて、初めての奴なら迷う。
コイツ、なんだかんだ言っても、俺を慕ってくる気の良い奴だ。
仕方ない。
「駅まで行ける大通り教えてやる。
そこから帰れ。」
「いちじ先輩ー!」
問答無用で、先に立って歩き出した。
早くこの莫迦送って、那月を探したい!
いや、すっぽかされたのなら探す必要は無いけど……。
うぅ。
「悪いっすね。
スーパーに行くんじゃなかったんですか?」
並んで歩いて、呑気に質問してくる。
無視だ、無視!
無視されても、平気で鼻歌歌ってる……。
「あれ?公園行くんですか?」
「大通り行く近道なんだよ!」
「そーなんですか?
いや〜先輩に襲われる、って思っちゃいましたー!」
「誰が襲うか!!」
「……あれ?
先輩!何か動きましたよ?」
「あーー?」
「ほら!そこの木の影!」
「見間違いだろ?
この公園は、暗いし痴漢も出るからめったに人、通らないんだよ。」
って、もう様子見に行ってるし!!
痴漢の犯人だったらどーすんだ!
ん?何かを見つけた?
「先輩!!!大変です!!
ちょっと来て下さいーー!!」
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