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94 《一時》
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《一時》
だいぶ頭が冷えた。
まず那月の話しを聞かないと。
それから…親に連絡。
お節介だとは思うけど、なんせ中学生。
那月は、あまり親の事は話したがらないけど。
寝てるだろうから、息を潜めて玄関のドアを開けた。
ん?
なんか……寝室から?
しゃくり上げるような……?
「那月?
起きてるのか?」
電気を点けると、布団に潜ったままでビクッとする気配。
「痛くて眠れないのか?
医者行くか?」
布団をそっと剥いでみると、眩しいのか顔を隠す。
「……何でも…ありません。何でも」
また、布団に潜ろうとする。
泣いてる?
「那月、顔見せろ?」
無理矢理、手を退ける。
「ぁ…あの!何でもないんです!ちょっと…」
「痛いのか?!
直ぐ医者に!!」
「ち、違います!あの…」
そんな事言っても、泣いてるじゃないか?
シーツも濡れてる。
「あ…の……あの……」
「大丈夫、俺が連れてってやるからな?
那月は何にも心配しないでいいんだぞ?」
深夜にやってる医院は、どこだ?
あーもう焦ったい、救急車呼ぶか?
でもそうすると、那月のメンタルが……。
那月は、困った笑顔で、俺を見つめてたが、急にぽろっと涙を零す。
「ほら、やっぱり痛いんだろう?!
とりあえず、タクシーに」
「……守谷さん……
守谷……さ……」
震える身体を起こして、後から後から涙が伝う。
「起きる事無いぞ?寝とけ。
なんだ?ん?」
「……嫌……!!
守谷さんと別れるの嫌!!」
は?
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