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百花花開く季節。高校二年生四月。
私立九重学園に通う僕こと常磐楼樹《ときわるき》はとある掲示板の前で九腸寸断の思いだった。
「また今年も風紀……」
毒沼に三日浸かっていたのではないかと思う程の絶望を訴える声が自分の口から零れたことに驚く。
まぁ…でも妥当と言えば妥当では有る。
何故なら僕が風紀委員になってしまったから。
希望用紙には図書委員会と書いて提出しておいた筈なんだけど。
どこをどうしたらそれが風紀委員になるのだか。
とは言え…学園側に風紀委員を辞めて図書委員になりたいとも言えないのが現実。
簡単に委員会変更が出来たら僕も困っていない。
それもそう。この学園の生徒会と風紀委員を決めているのは理事長だからだ。
おまけに決め方は人気投票と呼ばれる謎の企画を用いた決定法。
頭湧いてんのかと常々理事長に対して思う。
「はぁ…」
先祖に禿げの人間が居ないのにも関わらず禿げてしまった時の様な絶望を感じさせる溜め息を吐く僕はきっと進級早々お疲れなのだろう。
この後の入学式と始業式…サボろうかな。
保健室はサボるというより性欲処理にどうぞの場所だから止めておこう。それなら屋上かな。
「お前…サボろうとしてるだろ」
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