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プロローグ
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軋む窓枠、今日も鈍色曇り模様。
びゅうびゅうと寒風が吹き、ひんやり冬めいた校舎。
いよいよ『今年一最強の冬将軍』がやってきたらしい、廊下中に灯油の匂いが広がっている。
原則体育以外のジャージの着用は禁じられており……なんてルールはこの学校じゃ無いようなもんだ。俺はもちろん、ジャージを着込んだ下にトレーナーまで忍ばせていた。
バレなきゃ違反じゃないし、バレても指摘させなきゃ違反にはならない。
午後から雪が降ると朝から大騒ぎだったが、本降りが始まったのは予想よりだいぶ早いお昼すぎちょっと。
そのためか後半の授業は20分も切り上げて下校になり、いつもならまだ校内を走り回っている生徒達も生徒指導の教師軍団によって早々に追い出された。
そんな中、校内を走り回るどころか『そうだ、告白をしよう』だなんて中々にイカれてると思う。
しかも一番冷える北館と体育館を繋ぐ外通路。
ロマンチックの欠けらも無いし、むしろ大迷惑。
そう。大、大、大、大迷惑。
「先生、俺の愛人になってください」
色々間違えたと自覚のある人生初の告白の返答は、
「寒いから」とコーヒーを買いに行った先生によって数分おあずけされたのだった。
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